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「侍ジャパンで初本塁打」大山悠輔がWBCに選ばれる3つの理由とは…井端弘和監督が絶賛した意外なポイント「見ていて驚いたのは…何より判断力が高い」
posted2025/03/09 11:03

侍ジャパンとオランダの強化試合でホームランを放った大山悠輔。WBCに選出されそうな「3つの理由」とは?
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph by
SANKEI SHIMBUN
第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開幕(2026年3月5日)を1年後に控えた日本代表・侍ジャパンのオランダとの強化試合が、3月5、6日に京セラドーム大阪で行われた。
今回は昨年のプレミア12大会で招集した選手をあえて外して、新戦力の発掘に主眼を置いたチーム編成で臨んだ井端弘和監督。その中で打線のテーマとして掲げたのが長打力だった。
「優勝する上でホームランは必要不可欠なもの。そういう(長打力のある)選手が一人でも出てきてくれたら嬉しい」
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開幕前の会見でもこう語り一発を打てる打者の台頭を期待した2戦だったが、その中で指揮官の熱視線を浴びたのが第2戦で左翼席中段に代表1号を放った大山悠輔内野手(阪神)だった。
2試合で飛び出した一発は2本だけだった。
初戦にいきなり先頭打者アーチをかけた水谷瞬外野手(日本ハム)もチームメイトの万波中正外野手とともに存在感を示したが、来年のWBC本大会への招集となるとかなり高い壁がありそうだ。
一番の障害は外野手というポジション。外野手にはメジャーリーガーの鈴木誠也外野手(シカゴ・カブス)、吉田正尚外野手(ボストン・レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー外野手(セントルイス・カージナルス)が揃って、国内組でも前回出場の近藤健介外野手、周東佑京外野手(ソフトバンク)にプレミア12で存在感を示した森下翔太外野手(阪神)、辰己涼介外野手(楽天)らがひしめく。その中で外野手の5枠を争うことになるので、2人にとってはかなり激しい競争が待ち受けることになる。
一方の大山は今回の活躍で本大会への招集へ大きく前進したことになりそうだ。
大山がWBC本大会に招集される「3つの理由」
大山の招集の第1のポイントとなるのは、今オフにメジャー挑戦の可能性が高い村上宗隆内野手(ヤクルト)と岡本和真内野手(巨人)の動向が不確定という事情だ。
前回大会ではメジャー移籍1年目の吉田が、メンバー入りしたものの、当時の日本代表・栗山英樹監督も「普通ならありえないことだった」と振り返った異例の参加だった。村上と岡本も、現時点では共に来年のWBCへの参加を希望している。ただこのオフにメジャー移籍が実現したら移籍先によってはキャンプに参加してチームに慣れることを優先し、大会参加に難色を示すことも十分に考えられる。過去の例からは、むしろその方が自然な流れでもある。