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「侍ジャパンで初本塁打」大山悠輔がWBCに選ばれる3つの理由とは…井端弘和監督が絶賛した意外なポイント「見ていて驚いたのは…何より判断力が高い」
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鷲田康Yasushi Washida
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/03/09 11:03

侍ジャパンとオランダの強化試合でホームランを放った大山悠輔。WBCに選出されそうな「3つの理由」とは?
4回1死一塁からの遊撃へのゴロ。ボールを捕った長岡が二塁のべースカバーに入った吉川に送球して一塁走者を封殺。そこから吉川が一塁に転送したボールが右翼側に逸れてしまった。
「ああいうケースってほとんどの一塁手がアウトにすることを優先して、ベースに足をつけながら捕球しようとしてしまうんです。でも大山はベースから足を離してボールを確実に捕ることを優先していた。流石だなと思いました」
「判断力の高さを見て関心しました」
試合は日本が1対0でリードしていたが、次の1点が勝負の行方を左右するため、ミスは許されない場面だった。
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「一番ダメなのはアウトをとるためにベースに足をつけることにこだわって、捕球できずに後ろに逸らしてしまうこと。もちろんグラブさばきを含めて守備の上手さもあるんですけど、ああいうところでの判断力の高さを見て感心しました」
井端監督はこう絶賛する。
大山は現在のチームでは一塁で守備位置は固定されて日本一となった23年にはゴールデン・グラブ賞も受賞している名手だ。しかし過去には19年に三塁で130試合に出場しリーグトップのUZR7・7を記録、外野の守備経験もありユーティリティープレーヤーとして起用できるメリットがあるのもプラス材料となる。
そうなると、たとえ村上と岡本が参加したとしても、二人のバックアップ兼右の代打、守備要員としては貴重な戦力となる。
そういう意味では今の侍ジャパンのチーム、井端監督の考える野球にフィットする選手の一人であり、招集の可能性は非常に大きくなってきていると言えそうだ。
あとは本人がどれだけ出場に意欲を持っているかである。
「緊張感のある中で打てた、すごくいい1本」
6年ぶり3度目の日の丸のユニフォームで、代表での本塁打はこれが初めてだった。
「侍ジャパンで初めてのホームランです。めちゃくちゃ嬉しいです!」
試合中に広報を通じてコメントを発表した大山は、試合後のお立ち台ではこの一撃をこう振り返った。