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「朝から晩まで面倒を見てくれて…」ロッテ・小島和哉が語る左ピッチャーの“虎の穴”「和田塾」の全貌…レジェンドが残した「最後の宿題」とは

posted2025/01/29 17:00

 
「朝から晩まで面倒を見てくれて…」ロッテ・小島和哉が語る左ピッチャーの“虎の穴”「和田塾」の全貌…レジェンドが残した「最後の宿題」とは<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

レジェンドの魂は後輩たちが受け継いでいく

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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Chiba Lotte Marines

 小島和哉投手の新シーズンは今年も長崎から始まった。通称「和田塾」――。日米通算165勝を挙げ昨シーズン限りで現役を引退した元ソフトバンク・和田毅さんのもとに各球団のピッチャーたちが集う自主トレだ。小島が参加するのは2年連続4度目となる。

「電撃引退」届いたメッセージ

 昨秋、和田さんが引退を発表する直前にこの自主トレメンバーのグループLINEにメッセージが入った。「引退することになりました」。和田さんから送られてきた長文に、小島の頭は真っ白になった。ただ、文面にはこんな一文も添えられていた。

「……ということで来年は指導役にまわって長崎で厳しく指導します」

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 現役生活22年でユニフォームを脱ぐ節目の時に、自主トレメンバーのオフシーズンのことまで配慮して伝える和田さんらしい思いやりがそこに表れていた。

サポートする側に回って…

 約束通り、例年と同じスケジュールで和田塾は開催された。和田さんは黒子に徹するようにストップウォッチ片手にタイム測定を行い、ストレッチや体幹系のトレーニングではサポートする側に回って選手たちを鼓舞した。そして時間がある限り、様々なアドバイスを送った。小島がしみじみと語る。

「引退されても、こうやって僕らのために朝から夜まで一緒の生活をしてくれる。本当にありがたいと思いました。せっかくの機会なので朝から晩まで気になった事は聞いていた。凄く細かく丁寧に教えてもらった。充実した毎日だったと思います」

絶妙なタイム設定

 練習内容のメインは体幹を自然と意識できるようなトレーニングだ。

「力を入れるのではなくて自然と入るようにする内容。このトレーニングが身に付けば上半身と下半身のブレが少なくなりピッチングも安定する。走るメニューは中距離系でインターバルが短い。和田さんはランニングのタイム設定が、すごく絶妙なんです。ちょっとでも手を抜くと切れないようなタイム設定になっている」

【次ページ】 「最後は気持ち」和田さんの思い

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