プロ野球PRESSBACK NUMBER
「朝から晩まで面倒を見てくれて…」ロッテ・小島和哉が語る左ピッチャーの“虎の穴”「和田塾」の全貌…レジェンドが残した「最後の宿題」とは
text by

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/01/29 17:00
レジェンドの魂は後輩たちが受け継いでいく
もちろん、2年連続で開幕投手を務めている小島も、本音の部分では強い思いがあるはずだ。それを理解した上で、思いを表に出さなかったことが歯痒かったのだろう。あえて強い言葉で奮起を求めた。
和田さんはどちらかといえば技巧派のイメージが強いが、魂のボールを投げる投手だった。勝負どころではマウンドから雄叫びが聞こえる。気持ちで打者を圧倒する投手だった。だからこそ、ここぞの場面を抑え、大事な試合で勝ち続けてきた。長崎での濃い時間の中では、その熱い魂も後輩左腕に繋いでいった。
打倒・ホークスの誓い
小島は今年の目標を「日本一。そのためにホークスに勝つ」と言い切る。
ADVERTISEMENT
「ボク個人もこれまで抑えられていない。その悔しさは強く感じている。そのためにはレベルアップしないといけない」
昨シーズンはホークス戦2試合に投げて0勝2敗。通算でも12試合で1勝6敗、防御率5.73と数字は決して良くない。リーグ優勝を達成するためには、和田さんが在籍していたチームを絶対に倒さなければいけない。その思いを強く持っている。
レジェンド左腕の魂を胸に
個人的に目指すのはキャリアハイの成績だ。
「毎試合、長いイニングを沢山投げる。この自主トレではその土台を作ってきた。今年はチームで見本になるような姿勢、態度を自覚してやっていきたい」
そう口にした頼もしい後輩の横顔に、和田さんはこんなエールを送った。
「去年12勝10敗。勝ち星と負け星が近いイメージがあるので、貯金を10くらいは作って欲しい」
尊敬するレジェンド左腕の魂を受け継ぎ、さらなる進化を目指す。小島が和田さんに課された“宿題”に応えた時、マリーンズの悲願もまた果たされるはずだ。


