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「朝から晩まで面倒を見てくれて…」ロッテ・小島和哉が語る左ピッチャーの“虎の穴”「和田塾」の全貌…レジェンドが残した「最後の宿題」とは 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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photograph byChiba Lotte Marines

posted2025/01/29 17:00

「朝から晩まで面倒を見てくれて…」ロッテ・小島和哉が語る左ピッチャーの“虎の穴”「和田塾」の全貌…レジェンドが残した「最後の宿題」とは<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

レジェンドの魂は後輩たちが受け継いでいく

「座学」も手配

 今年は新たに、座学も加わった。小島ら参加選手たちのリクエストに和田が応え、自らの人脈をたどって講師を手配してくれたのだ。テーマは睡眠やトレーニングなど。睡眠の座学では、試合前の仮眠の必要性やどのようなタイミングで取るべきかなどの話に、参加選手たちは熱心に聞き入った。

 自主トレには、和田さんと同じ早稲田大学出身者として、小島の一つ先輩にあたるタイガースの大竹耕太郎投手と、小島の二つ後輩にあたるイーグルスの早川隆久投手が参加している。いずれも同じ左投手でプロの世界でお互い切磋琢磨する存在だ。「めちゃくちゃ刺激になる。みんなで意見を交えて感覚を共有出来たりする」と小島はその存在を心強く感じている。

後輩左腕に後を託して

 来年以降の自主トレについて、和田さんはこの3人に託す考えだ。「来年は顔を出しに来るかもしれないけど、メインでは自分はいない。大竹、小島、早川の3人で引っ張って欲しい」と思いを明かした。「和田塾」、あるいは和田さんの現役時代の背番号から「TEAM21」と言われている自主トレの愛称についても、レジェンドはこう語る。

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「この3人の中で今年一番、活躍する選手の名称で呼べばいいのではないかなあと思う。それが面白い。大竹だったら『TEAM49』。小島だったら『TEAM14』だし早川なら『TEAM21』で。この3人を慕って若い選手たちが集まって盛り上がって欲しい。ボクも自主トレに顔を出させてもらって、逆に色々な事を教えてもらい刺激をうけたい」

 2019年から長崎で続く合同自主トレ。今後もチームの垣根を越えて様々な左投手たちが寝食を共にし、レベルアップし続けて欲しい。それが和田さんの想いだ。

「最後は気持ち」

 和田さんが伝えてきたのは技術やトレーニングだけではない。口酸っぱく言うのは「最後は気持ち」という言葉だ。この自主トレ中の夕食は、ボリュームが非常に多いことで知られているが、それも身体作りの一環ではあるとともに「気持ちの部分もある」と言う。

「野球も練習も食事も全て一緒です。最初からダメだと思うのか、途中で諦めるのか、なにくそと最後まで頑張るのか、で変わる。すごい量が出てきたら、『ボクには、こんなに食べられない』と最初から諦めてしまう選手もいる。そうではなくて『体のため、活躍するために絶対に食べるぞ』という気持ちが大事だと思う」

「最後は気持ち」という点では、小島にも強いメッセージを送った。それはある新聞記事を目にした時のこと。開幕投手への意気込みを問われた小島は「任されたところで結果を出したい。最初に任された日が自分の開幕」という内容のコメントを残していた。和田はこの言葉に反応した。

「もっと責任感を持って」

「ボクからすれば『もちろん開幕に投げたいです。ぜひ監督、ボクを選んでください』くらい言って欲しいなあ、と思ってしまった。彼はそれくらいの選手。チームの中心だと思ってもっと責任感を持ってやって欲しいなあと思いました」

【次ページ】 レジェンドの魂を受け継いで

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