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学生ビーチバレー会場で本当に起きている“盗撮被害”「(不審者は)絶対に入らないでほしい」保護者の切実な声…競技普及のための“課題”とは

posted2024/09/18 11:03

 
学生ビーチバレー会場で本当に起きている“盗撮被害”「(不審者は)絶対に入らないでほしい」保護者の切実な声…競技普及のための“課題”とは<Number Web> photograph by Yoshihisa Kosaki

マドンナカップにて、タンクトップでプレーする選手たち

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吉田亜衣

吉田亜衣Ai Yoshida

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Yoshihisa Kosaki

ビーチバレー競技のユニフォームの多様さは、パリ五輪でも大きな話題を集めた。では、トップカテゴリーではなく、日本の学生ビーチバレー界ではどうなっているのだろうか。その現状と変化を、指導者、選手、そして保護者の声から考える。《全2回の後編》

 かつては『ビキニ一択』だったビーチバレー女子のユニフォーム。2010年代に国際大会の規定が変わってからというもの、選手の意志で選択できるようになった。日本国内において、いち早くユニフォーム規定に順応していったのは高校生女子のカテゴリーだ。

 2017年からユニフォームの規定を緩和していった「マドンナカップin伊予市(全日本女子ビーチバレーボール高校女子選手権大会)」では、インナーウエア、スパッツなどを着用して試合に出場するチームが現れた。

 時間をかけて少しずつ浸透してきたユニフォームの自由度は、競技の普及にどう影響していくのか。

国体でビキニ着用の選手は「全体の1割未満」

 肌の露出や日焼けを危惧する声もあがっていた学生女子ビーチバレー界に、競技の間口を広げる追い風が吹き始めている。昨年のかごしま国体(現国スポ)の47都道府県代表チーム中、ショーツ型のビキニは1割に満たず、出場チームのほとんどがブラトップ、タンクトップにショートパンツ、一部がTシャツを着用していた。

 実際、競技生活を送っている高校生たちは、ユニフォームについてどう感じているのだろうか。全国大会で上位進出を果たし、ショーツ型のビキニを着用していたあるペアはこう話す。

「私たちは水着(ビキニ)でも恥ずかしくないです。一番動きやすいのが水着。身体に砂がついたときや暑いとき、水をかぶるのですが、そのときも水着が一番いい。監督がお店に連れていってくれるので、今年はどんな水着を着ようか、2人で話しながら選ぶのがとても楽しいです」

 そこには、選手自らが競技環境に適しているものを判断し、そのなかで好きなファッションを選ぶ楽しみが間違いなく存在していた。

 他方で、ショートパンツを着用していたペアに理由を聞くと、チームを引率する監督によってユニフォームの取り扱いが異なっていたと回答した。

【次ページ】 “選手の意思”と“監督の意見”

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佐伯美香
オリンピック・パラリンピック
パリ五輪

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