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トム・ホーバスHCも思わず「良い答えデス」…富樫勇樹&馬場雄大が北海道で語った日本バスケが“7年前のあの日”から変わったコト
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2024/06/25 11:01
現在は日本代表チームの主力となっている馬場雄大(左)と富樫勇樹。彼らが若手だった7年前の代表戦での記憶とは?
バスケの代表チームでは1人しか認められない帰化選手の枠を巡る争いもかなり熾烈になった。Bリーグで長年プレーし、日本の魅力に惹かれ、日本国籍を取得しようとする選手が増えたからだ。
当時の帰化選手枠をめぐる争いはそこまで激しいものではなかったが、今は違う。攻守で走り回り、外からも中からも点を取れるジョシュ・ホーキンソンのような、現代バスケの申し子と呼べるような選手が、やっとノミネートされるほどなのだ。
「この状況は、10年前には信じられなかった」
オーストラリアとの2試合を終えたあとの記者会見の最後に、キャプテンとなった富樫に聞かずにはいられなかった。
――2017年2月に札幌で試合をした時と比べて、日本代表のメンタリティに変化はあったのでしょうか?
富樫は昔と変わらず、質問を投げかけた筆者の目をしっかりと見て、話し始めた。
「Bリーグが始まって8年くらい経つと思うんですけど、そこからの日本バスケの成長は本当にすごくあると思います。オリンピック出場を自力で決めることができたり……。パリオリンピックまであと1カ月で、そこに向けてテストマッチをしているというこの状況は、本当に10年前には信じられなかったようなことなので!
これが当たり前になって、今度は『メダルを取りたい』とか、そういう高い目標になっていくと思うので。(未来の代表選手たちが迷わず)そこを目指していけるように、まずは、パリオリンピックでしっかり良い結果を残して。これからにつながっていくような大会にしていきたいなと思います」
この言葉を聞いて、隣に座っていたトム・ホーバスHCは黙っていられなかった。満面の笑みで口を開いた。
「良い答えデス!!」
そして腕を伸ばし、富樫とグータッチをかわした。気がつけば、会場からは拍手が沸き起こっていた。
6月28日、いよいよ渡邊雄太や八村塁がチームに合流できると見られている。2017年2月の時点にはいなかった現役NBAプレーヤーも、当たり前のようにいる時代になった。全てが、変わったのだ。