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トム・ホーバスHCも思わず「良い答えデス」…富樫勇樹&馬場雄大が北海道で語った日本バスケが“7年前のあの日”から変わったコト
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2024/06/25 11:01
現在は日本代表チームの主力となっている馬場雄大(左)と富樫勇樹。彼らが若手だった7年前の代表戦での記憶とは?
意外だったのは、代表デビューを目前に控えた馬場が、2歳上の富樫に敬語を使っていなかったことだ。真実は細部に宿る。富樫の想いと、2人の関係性がそこに表れていた。
馬場は、敬語を使わなかった理由を後に明かしている。
「(富樫)勇樹は敬語が嫌いみたいで。気を使わせないようにしているのかわからないですけど、『タメ語でいいよ!』と言ってくれて。そこから、すごく親しくなりました」
もっとも、敬語うんぬんは表面的な問題だ。肝となるのは、彼らが未来のある若者らしく、熱い想いを語り合っていたことである。
「日本代表の空気をオレたちで少しずつ変えていこうぜ!」
2人はそう誓い合ったという。
デビューから3カ月後、代表の環境にも慣れた馬場は、富樫とのやり取りを丁寧に説明していた。
「代表の練習の空気が重くなるときがあります。(アメリカ生まれの帰化選手である)アイラ(・ブラウン)などが盛り上げているところはみなさん想像できると思うんですけど……。そうではなくて、練習から120%の力でやりたいんです。そういうところから活力は生まれて来ると思っているので。
盛り上げる声はもちろんですけど、一つひとつの技術について、細かいところまで詰めていけるように声を挙げ、気づいたところを発信していきたいと思います。そうやって僕らがコートで表現して、次から入ってくる年代の選手たちに見せられたら」
想いを口外することで、自分に言い聞かせるかのような口ぶりで、馬場は宣言した。
「勇樹と2人で、日本のバスケを変えられたらなと思います!」
バスケ代表を取り巻く環境の変化
日本代表を取り巻く環境が変わったことは前述の通りだ。観客動員数という数字以外からも、変化を感じる人は多いだろう。
では、代表選手たちのメンタリティはどう変わったのだろうか。今回の試合の後に、7年前に考えていたことについて馬場にたずねると、こんな答えが返ってきた。
「あの時はいっぱい、いっぱいの状態で、楽しもうというだけだったんですけど。今は役割もわかってきて、年齢も上がってきて。リーダーシップじゃないですけど、チームに与える影響は大きくなってきたと思うので、良い意味で変わってきたのかなと」