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「NBA挑戦もパリ五輪も大事」バスケ富永啓生(23歳)が“選択”を迫られる2024年の夏「ドラフト指名がなければ…」天才シューターの青写真
posted2024/05/21 11:02
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Nebraska Athletics
米ネブラスカ大学での3年間を走り終えた富永啓生(23歳)。“マーチ・マッドネス”とも言われる「NCAAトーナメント」にチームを導くなど、アメリカのカレッジバスケ界で鮮烈なインパクトを残した。NBA挑戦、パリ五輪……大きな一歩を踏み出す夏を前に、日本が誇るシューターが現在地と未来を明かした。インタビューの様子はサブスク「NumberPREMIER」でご覧いただけます。
「過程が大事」富永の根っこにある信念
シューターにとって、シュート力の次に大事なことは何なのだろうか。
3年前、富永啓生にそう問いかけたことがある。富永は、迷うことなく、「シューターにとって一番大事なのはシュートを打つまでの過程」と断言した。
打ったシュートが入るか入らないかはそのとき次第。それよりも、どうやればシュートを打てる状態を作れるのかが一番大事なのだという。相手の動きを見極め、頭を使って、シュートを打てる状態に持っていく。それが成功すれば、シューターとしての仕事は9割できたことになる。最後のシュートは身体にしみこんだ動きを再現するだけというわけだ。
今回、NumberPREMIERの企画で、富永に「選択」というトピックでインタビューしたときに、そのことを思いだした。なぜなのかは後で改めて説明するとして、まずは、「選択」というトピックで話を聞きたかった理由から説明しよう。
NCAAディビジョンIのネブラスカ大のキャリアを終えた富永はこの夏、昔からの夢だったNBA入りへのプロセスをスタートさせる。チームと交渉する窓口として、NBA選手をクライアントに持つタンデム・スポーツ&エンターテイメントとエージェント契約も交わした。選手として、人生において大きな岐路に差し掛かる夏なのだ。