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トム・ホーバスHCも思わず「良い答えデス」…富樫勇樹&馬場雄大が北海道で語った日本バスケが“7年前のあの日”から変わったコト
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2024/06/25 11:01
現在は日本代表チームの主力となっている馬場雄大(左)と富樫勇樹。彼らが若手だった7年前の代表戦での記憶とは?
あの頃と変わったものはもちろん、他にもたくさんある。馬場は大学に通いながらアルバルク東京でプロになり、2019年の中国W杯後にはNBA入りを目指し、アメリカやオーストラリアでプレーしてきた。
プライベートでは伴侶も得た。今年初めに話題になったドラマ『春になったら』で重要な役どころを担った女優の森カンナと結婚しただけではなく、海外のチームでプレーしていたときには遠距離婚という新しい夫婦の形を見せた。何より、プロバスケ選手を夢見る子どもたちに「バスケ選手ってすごいんだ!」と思わせる立場になった。
馬場は、代表デビュー時からの日本代表の進化には胸を張る。
「当時は『アジアでどう勝つか』という話をしていたんです。だけど、今は世界に目を向けて、『世界で勝つには……』と(話している)。スタンダードが高くなっているので。実際に、それを達成するのにふさわしい選手たちも集まっていて。レベルはかなり上がったなと思いますね」
2017年は世界ランク48位→現在は26位に
当時の世界ランキングを見てみると、イランが25位で、日本は48位だった。現在の日本の世界ランクは26位で、今回対戦したオーストラリアは5位。さらに、日本はわずか12カ国しか参加できない今夏のパリ五輪に出場することが決まっている。昨年の沖縄W杯で日本がアジアで最高の成績を残し、48年ぶりに五輪の出場権を「自力で獲得」したからだ。2017年2月には2番目に若い選手だった富樫も、気づけば上から3番目。日本代表のキャプテンになった。
2人の夢はもう、叶っている。むしろ、時代は彼らが思い描いていたものよりも先に進んでいるのかもしれない。昨年、パリ五輪出場権を獲得したとき、馬場はこう語った。
「今の若手はすごい選手たちです、河村勇輝、富永啓生……僕たちが刺激を受けるくらい、下の世代からの勢いを感じました。彼らは負けを経験していない。勝った経験しかないんですもん! やはり、違うんですよ、今の若い子たちは(笑)。でも、そこに負けないように、上の選手たちが本当に自分に向き合って、チームとして何ができるのかを見つめた結果、本当に良いチームができたと思っています」