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「石川祐希がイタリア人化?」「高橋藍はエンターテイナー!」福澤達哉×荒木絵里香が“最強男子バレーの魅力”を徹底解説「心臓はセッター関田誠大」
posted2024/06/22 11:03
text by
藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori
photograph by
Yuki Suenaga
石川祐希はイタリア人化している?
福澤 男子選手でいいな、と思うのはどの選手ですか。
荒木 まずはキャプテンの石川祐希選手です。彼のリーダーシップをとってみても世界のトッププレーヤーですよね。その姿は見ていてワクワクするし頼もしいです。
福澤 私もセリエAをシーズン通じて見ていますが、年々勝利に対する向き合い方が上がっています。自分の力で勝たせるという意識はもちろんのこと、チームを勝たせるというところにすごく注力しているんですよね。パフォーマンスで貢献するのは当たり前、パフォーマンス+αのところで、存在感やアクションでどう影響を与えるかに目を向けています。荒木さんも日本代表でのキャリアの最後のほうはそうだったと思うんですけど、我々は体が動かなくなってきてからが仕事みたいなところがあるじゃないですか。
荒木 言いたいことは分かります。
福澤 できるだけパフォーマンスは上げるけれども、ベテランがコートに入っている意味を、そのポジションになって初めて気づくんですよね。
荒木 30歳を超えてね。
福澤 まだ彼は30になっていませんから。
荒木 石川選手は、表情が豊かになっていませんか?
福澤 イタリア人化しているんですよ。ヨーロッパはどこも主張の国じゃないですか。自分を前面に出してなんぼみたいなところに10年いるんです。そこであれだけの活躍をして、且つチームの中心でやっている。もう石川祐希でなく、ユウキ・イシカワですよね。だから荒木さんが言うように表情を含めてすごく変わったと思います。ひとつわかりやすいエピソードがあります。福岡ラウンドでのスロベニア戦、調子が悪かったじゃないですか。なかなか決まらなくて。
荒木 はい、ストレスがかかっているように見えました。
福澤 そこで、ブラン監督が2回、同じ流れで石川選手を交代したんです。私はその試合の解説をしていたんですが、端から見たら、いったん下げて、冷静になってから戻す、もしくはチームにきっかけを与えるために代えるという意図が監督にはあったと思います。でも交代になった時に、監督に対して、なんで代えるんだというようなジェスチャーをしていた。イタリア人みたいでしたよ。それくらい自分が出ることに対して責任感とこだわりを持っている。もちろん自分のパフォーマンスが上がっていないこともわかっている。でも挽回するという気持ちがあるんですよ。
荒木 自信もあるんでしょうね。
福澤 はい。ベテランになると幾度もそういうシチュエーションを経験する。でも、なんで代えるんだって言えない状況の時もあるじゃないですか。
荒木 しょぼーんみたいな。
福澤 いやー、そうだよなって思ってしまう。石川選手はそういう時でもいい意味でエゴを出せる。彼は若い時、自己表現はできないタイプだったんです。求められたことをやりますという感じで。声も小さかったし。今も格の部分は変わっていませんが、その部分を惜しみなく前面に出すようになりました。
荒木 進化が止まらないですよね。
みんなの藍ちゃん、高橋藍の魅力とは
福澤 止まらない。これがベテランになったらどういう選手になるんだろう。他にはどなたかいますか?