バレーボールPRESSBACK NUMBER
「とにかく真面目。いや真面目すぎる」石川真佑を“プラス思考”に変える女子バレー眞鍋政義監督の試み「負のオーラを払拭してやろう」
posted2024/06/20 11:02
text by
眞鍋政義Masayoshi Manabe
photograph by
Yuki Suenaga
スポーツ選手になるべくしてなった石川真佑
古賀、井上と並んで、いまの日本に欠かせないアタッカーが石川真佑だ。しかし、石川も東京オリンピックの敗退で心に傷を負った選手の一人である。
石川はスポーツ一家で育ち、スポーツ選手になるべくしてなった選手だ。父親は陸上の実業団選手、母親もバスケットボールの実業団選手だった。姉と兄がバレーボールをやっていた影響で、彼女も小学生でバレーを始めた。兄は言わずと知れた男子のエース、石川祐希である。
出身は愛知県の岡崎だが、中学から親元を離れて、長野の裾花中学校に進学。全中で2回優勝している。さらに高校は、木村沙織ら数多の代表選手を輩出してきた下北沢成徳へ。インターハイ、国体、春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権大会)のすべてで優勝を経験し、卒業後はVリーグの東レアローズに入団した。
2019年に代表にも招集され、U20世界選手権ではエース、キャプテンとして大活躍。決勝でイタリアを破って日本に初優勝をもたらし、自身はMVPに輝いた。このときのU20(2000~2001年生まれ)は黄金世代で、石川のほかにも、ミドルブロッカーの山田二千華、荒木彩花、アウトサイドヒッターの西川有喜、宮部愛芽世、西村弥菜美(現在はリベロ)らがいた。
石川は続くアジア選手権の代表(B代表)にも選ばれ、宿敵・韓国を準決勝で下し、そのまま優勝。再びMVPとベストアウトサイドスパイカーを獲得した。その活躍が認められ、中田久美監督が率いるA代表にも抜擢。ワールドカップではアメリカ戦と韓国戦でチーム最多得点をあげる活躍を見せた。
石川をどうやって再生させるか?
その勢いのまま、2020年の東京オリンピックでも大活躍......となればよかった のだが、コロナ禍で1年延期となったのはご存じの通り。初戦で古賀が負傷したこともあり、石川への期待はいやが上にも高まった。それがプレッシャーになったのか、 ここぞという場面で決めきれない姿が目についた。