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「石川祐希がイタリア人化?」「高橋藍はエンターテイナー!」福澤達哉×荒木絵里香が“最強男子バレーの魅力”を徹底解説「心臓はセッター関田誠大」
text by
藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori
photograph byYuki Suenaga
posted2024/06/22 11:03
福澤達哉と荒木絵里香が史上最強といわれるバレーボール男子日本代表を徹底解説。(写真左から)関田誠大、石川祐希、高橋藍、西田有志
荒木 うちの娘もね、言うんですよ。「藍ちゃーん」って。
福澤 みんなの藍ちゃん、高橋藍選手ですね。いまだかつてないフィーバーが起きています。インスタグラムのフォロワーも200万を超えているんですよ。
荒木 200万? 気負いがないですよね。昭和生まれにはないナチュラルさがある。
福澤 彼のすごいのは自然体なところです。ニュージェネレーションだと感じます。去年のオリンピック予選の時も、「オリンピックの最終予選ってもっと緊張すると思っていましたけど、普段の試合と変わらないですね」って言うんです。
荒木 そうなんですね。
カメラの前で「ひき肉です!」ってやるんですから(笑)
福澤 石川選手の調子があまり上がってこない状況の時でも、「別に自分がやればいいと思っていました」って。
荒木 軽やか。
福澤 それで最後にカメラの前で「ひき肉です!」ってやるんですから(笑)。
荒木 あれできる?
福澤 絶対無理です。サービス精神があったとしても一瞬立ち止まりますよね。そういうのを含めてエンターテイナーです。
荒木 今までバレーボールに興味がなかった人をもぐっと引き付けてくれましたよね。
福澤 見てもらうきっかけはなんでもいいんです。その先で、バレーボールは面白いというのが絶対に伝わりますから。その点でも唯一無二の選手です。セリエAでもファイナルにいきましたし。
荒木 すごいですよね。まだ22歳?
福澤 大学を卒業したばかりです。彼が来シーズンはSVリーグでプレーしますから。我々、石川と高橋の話でどれだけ話すんですか(笑)。他にはいますか?
日本のバレーを支えているのはセッター関田
荒木 そこを操る関田誠大選手。
福澤 今の日本のバレーを誰が支えているかというと関田選手なんです。
荒木 ほう。
福澤 今の代表には、豊富なタレントが揃っています。石川、高橋藍、西田有志と宮浦健人がいて、ミドルも成長してきている。駒はいっぱいいるけど、いい駒も使い手次第で能力値が変わります。それを常に100%の値で使えるテクニックが関田選手にはある。竹下佳江さんもそんな感じじゃなかったですか。
荒木 もうその通り、彷彿とさせます。
福澤 いるだけで安心する。関田選手が言っていました。「ミドルが能力も決定率も上がってきているのはもちろん意識しているけど、クイックは半分以上セッター次第だ」と。そこにこだわりがあり、自分が彼らをうまく使わないと、と思っている。竹下さんと荒木さんもそういう関係性でしたよね。
荒木 もう委ねていましたよね。「出してください!」と思って入っていたから。
「関田選手はマジシャン」「心臓ですよね」
福澤 スパイカーにとっては安心感もあると思うし、ブロッカーからするとそういう相手のセッターはどうでしたか。