バレーボールPRESSBACK NUMBER
「“高橋藍の兄”だからサントリーに入れた…とか」“最強の弟”をもつ兄の葛藤…高橋塁が初めて明かす胸の内「それでも僕にはやる選択肢しかない」
posted2024/05/28 17:41
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
SUNTORY SUNBIRDS
「移籍」に留まらず、もはや「凱旋」というべきか。
日本体育大学在学中の2021年12月からイタリア・セリエAで3シーズンにわたってプレーしたバレーボール男子日本代表・高橋藍(22歳)は、今年7月からサントリーサンバーズに所属することを発表した。
今季はセリエA・モンツァでクラブ史上最高位となる準優勝に貢献。激闘から間もない5月頭に帰国すると、すぐに日本代表キックオフ会見、日体大の学位記授与式へ参加するなど多忙な日々を過ごした。話題が集まるネーションズリーグ開幕直前に、パリ五輪以降のシーズンは日本でプレーすることを表明している。
イタリアでの活躍が記憶に新しいこともあり、「まだ海外でプレーしたほうがいいのではないか」という声も飛び交うが、今季のVリーグを制したサントリーは昨年12月の世界クラブ選手権でも3位に入る快挙を達成した、紛れもなく日本のみならず世界に誇るべきチームだ。来季から新たに発足する「SVリーグ」の起爆剤としても活躍が期待されている。
さまざまな見解がある中、実は誰よりも高橋の入団を心待ちにしていた選手がいる。
2022年からサントリーに所属する兄の高橋塁だ。
「やっとまた藍とできるのは楽しみです。兄弟でバレー界を盛り上げよう、っていう思いはお互いずっと持ち続けているので」
屈託ない笑顔で嬉しそうに語りながら、「でも」と続ける。
「期待され続ける中で、ちゃんと結果を残し続ける。藍はほんまにすごいなって思いますよね。ぶっちゃけ、僕は全然、(周囲から)期待されていないな、って感じてきましたから」