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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「スターダムでは置物だった」ロッシー小川はなぜ女子プロレス新団体・マリーゴールドを旗揚げした? いま明かす“分裂”の内幕「悪い親ですよね」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2024/05/25 17:05
4月15日、新団体「マリーゴールド」を発表したロッシー小川。ジュリア、林下詩美を含む5人の選手がスターダムから移籍した
「スターダムでは置物みたいでしたから」
小川は「やってほしいという声もあったので」と、昨年の春ごろからおぼろげながら新団体の設立を頭に描いていた。
そんな小川に昨年12月、WWEの最高コンテンツ責任者であるトリプルHとのオンラインミーティングの機会ができた。それまで小川はトリプルHと面識はなかった。
「トリプルHは『スターダムでも個人でも、オガワがやりたいことに協力したい』と言ってくれた。彼が私の背中を押してくれました」
小川は当時の状況を振り返った。
「スターダムは居心地が悪くなっていたんです。話が違うな、これじゃあ自分の力は発揮できないな、と。『ここに座っていてください』と、なんか置物みたいでしたから。前任者のワンマン体制の中、AEWの件でも小川が邪魔をしていると言われて、一般的な認識になっていますが、それはないです。向こうでケニー・オメガが事実でないことを言って私を攻撃しているけれど、それこそ名誉棄損でしょう。彼自身が女子プロレスに関わりたいものだから。それでも知らない人が聞いたら『そうなのか』と思ってしまう。そんなことしたらこの世界にいられませんよ」
さらに小川は続ける。
「いろんな人がいろんな発言をするけれども、間違ったことが氾濫している。人はこうやって想像しながらプロレスを楽しんでいるんだなあ、と感じました。有名税かなとも思います。4月にWWEからレッスルマニアに招待されたとき、アメリカのファンはロッシー小川を知っていましたよ。今回の騒動でクローズアップされたからでしょう」
小川はアクトレスガールズから来た天麗皇希と後藤智香にも触れた。それぞれ170センチ、173センチと背の高い2人は大型のタッグチームで、5月20日がともにプロレスのデビュー戦だった。後藤は初体験に呼吸がかなり乱れていたが、天麗が豪快なダイビング・ボディプレスで勝利してしまった。
「2人はプロレスファンにとっては初めて見るルーキー。こういう人もいたんだと認識したはずです」