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「ミナミノは10点満点で8点」在仏イギリス人記者が南野拓実29歳に聞いた“不満の1年目→9ゴール”の背景「純也くん、敬斗と日本人の評価を…」
text by
イアン・ホーリーマンIan Holyman
photograph byPanoramic/AFLO
posted2024/05/24 17:02
南野拓実は29歳となった23-24シーズン、リーグ・アンで9ゴールを挙げた。在フランスの英国人記者もその働きを高評価した
11月下旬の敵地でのパリ・サンジェルマン戦では、1得点と1アシストをマークしたものの、2-5の完敗を喫している。年明けのアジアカップでは、準々決勝でイランに敗れた翌日の第20節ル・アーブル戦の終盤に途中出場。予想外の早期敗退と本人の意欲により、2試合の休場にとどめたのだ。以降、4得点と4アシストを追加し、今季のリーグ戦の成績は30試合で9得点6アシストとなった。
最終節FCナント戦には終盤に少しだけピッチに立ったが、もしチームが前節に2位の座を固めていなければ、監督はもっと彼の力を必要としただろう。なにしろ今季の南野は、権威ある『レキップ』紙の平均採点でリーグ・アンの3位だったのだ。またリーグ戦で3度、1得点1アシスト以上を記録したのは、彼のほかにキリアン・エムバペとピエール・エメリク=オーバメヤンしかいない。
自分たちが日本人選手の評価を高められたら…
それでも本人は、まだ改善の余地があると感じているようだ。
「個人的には、完全に満足しているわけではありません。もっとチームを助けることができたと思う。攻撃的な選手として、チームを牽引していかなければならない。それができている時は、自信も深まります」
加えて、日本代表としての自覚も増しているように見える。
「欧州の5大リーグに日本人選手が増えれば、代表でのポジション争いも激しくなる。それは日本代表に必要なこと。伊東純也や中村敬斗、そして自分たちが日本人選手の評価を高められたら、より多くの日本人選手がもっと移籍しやすくなると思います」
間違いなく、今季の彼は後進への門戸を広げたはずだ。そんな南野のシーズンを10点満点で評価するなら、8となるだろうか。このまま来季をキャリア最高の状態で迎えられれば、新フォーマットのチャンピオンズリーグでも輝きを放つかもしれない。ザルツブルク時代の2019-20シーズンには、グループステージのリバプール戦で鮮烈な活躍を披露して、ユルゲン・クロップ監督の目に留まり、直後の冬に引き抜かれた。
それをふまえると、モナコのファンからすれば、南野にはあまり目立って欲しくないかもしれないけれども。
<つづく>