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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
“東大野球部→メガバンクの銀行マン”が神奈川「野球強豪校の校長」に就任のナゼ…ビジネス界で言われた「ラグビー部と野球部の評価の差」とは?
posted2024/05/11 11:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
本人提供
言わずと知れた日本の大学の最高峰である東京大学。その野球部は強豪ぞろいの六大学リーグで奮闘が話題になることもしばしばだ。そんな野球部のとあるOBがこの4月、激戦区で名高い神奈川の野球強豪校の校長に就任したという。銀行マンとして30年以上活躍してきた“超エリート”は、なぜこのタイミングで教育の世界へ足を踏み入れたのだろうか。<NumberWebインタビュー全2回の1回目/つづきを読む>
今年3月「横浜隼人高・校長に朝木秀樹氏が就任」という記事に、アッと思った。
東京大学野球部のOBだというのも、胸にひっかかった。「朝木秀樹」という名前に聞き覚えがあった。
私の高校時代の1年先輩に、東大野球部のOBがいる。その方が「大学野球部に自慢の後輩がいる」と、何度か話してくれたのが、この朝木氏だった。
愛知県立千種高校、東大経済学部で捕手として野球を続け、現在はテレビ朝日『報道ステーション』のメインキャスターをつとめる大越健介氏とバッテリーを組んだ。当時、4年間のリーグ戦で通算24勝は、六大学リーグでの東大野球部の立ち位置を考えれば快挙といって差し支えないだろう。
東大野球部卒業後は、銀行マンとして約30年勤務
大学卒業後は三和銀行(現・三菱UFJ銀行)でおよそ30年勤務されたのち、出向からの転籍という形で麻布学園(東京)の事務長をつとめていた朝木氏。別の東大野球部OBと、横浜隼人高・水谷哲也野球部監督が旧知だった縁で、夢にも思っていなかった「教育者」の道が目の前に広がったのは、昨年2023年の春ごろだった。
9月に副校長として迎えられると、この春、4月からは横浜隼人中学・高校およそ2000人の生徒をあずかる校長先生に就任された。
「実はまだ先生と呼ばれることに、ぜんぜん慣れないんです。違和感があるんですね。私、教員免許も持ってないし、教育の現場に立つなんて考えてもいなかったので、なんか変ですね……やっぱりまだ」