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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
阪神が「勝率.176でオープン戦最下位」だったけど…ペナントとの相関関係は? 首位打者DeNA度会隆輝はどうなる? 過去の傾向を調べてみた
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/03/28 17:00
オープン戦を最下位で終えた阪神タイガース。ここ数年の「最下位球団」はレギュラーシーズンでどうだった?
〈セ・リーグ〉
1位=(3.9)、2位=(3.0)、3位=(3.1)、4位=(3.1)、5位=(3.6)、6位=(3.9)
〈パ・リーグ〉
1位=(3.0)、2位=(3.9)、3位=(3.3)、4位=(3.3)、5位=(4.2)、6位=(3.1)
過去10年で言えば、オープン戦リーグ最下位から優勝したのは、セは2020年巨人、2021年ヤクルト、パはなかった。逆にオープン戦リーグ1位でペナントレース最下位になったのはセだと2015年DeNA、パは2017年ロッテだった。
そういう意味では、阪神がオープン戦最下位になったことは、それほど心配する必要はないかもしれない。
オープン戦勝率1割台の3チームは“両極端”
筆者は今季、オープン戦を10試合観戦した。各球団ともに中盤以降、試合が接戦になっても、代打の切り札やセットアッパーを投入することはほとんどなかった。指揮官が「勝利」にこだわっていると思えたシーンは、ペナントレースに比べればかなり少なかった。オープン戦は勝敗にこだわるものではないと、断言してよいのではないか。
ただし過去10年、オープン戦において勝率1割台で終わったチームは3つあったが、ペナントレースの成績はこうなっている。
2014年:ヤクルト13試1勝11敗1分 率.083→6位
2018年:阪神16試2勝12敗2分 率.143→6位
2020年:巨人16試2勝10敗4分 率.167→1位
なお今季はロッテ、阪神と2チームが勝率1割台になった。
ロッテ 14試2勝9敗3分 率.182
阪神 18試3勝14敗1分 率.176
その成績が「実勢戦力」によるものなのか「戦力調整中」によるものなのか、さらに分析する必要がある。
明らかにパの方がオープン戦勝率が高い
また、近年のオープン戦の成績で、はっきりわかるのは「パ・リーグ」の強さだ。
〈2014年から24年のオープン戦のチーム別勝敗〉
ソフトバンク 177試100勝57敗20分 率.637
楽天 174試91勝61敗22分 率.599
ロッテ 161試76勝64敗21分 率.543
西武 152試74勝63敗15分 率.540
日本ハム 173試78勝71敗24分 率.523
オリックス 173試78勝74敗21分 率.513
巨人 185試81勝92敗12分 率.468
阪神 173試70勝80敗23分 率.467
DeNA 171試70勝80敗21分 率.467
中日 183試68勝91敗24分 率.428
広島 161試57勝78敗26分 率.422
ヤクルト 177試62勝94敗21分 率.397
セ・リーグ 1050試408勝515敗127分 率.442
パ・リーグ 1010試497勝390敗123分 率.560
なんと、パ・リーグ6球団すべてが勝ち越し、最下位のオリックスでも.513。セは最上位の巨人でも.468。セ・リーグはここ11年で勝率.442、パ・リーグは.560となっている。交流戦でもパ・リーグが強い傾向が続いているが、ここまでの大差はついていない。