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「好んで坊主なのに…なぜダメって言うんでしょうか」神村学園の熱血監督が本音…スマホ使用ルール、全寮制の生活「それでも高校野球に捧げる理由」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph bySankei Shimbun
posted2024/03/22 06:02
今年のセンバツ練習前に座禅を組む神村学園の選手たち
――全員、硬式野球ですか?
小田 はい。例年だと1人、2人は、もう野球はいいですという子もいるんですけど、神村の教え子は比較的続ける子の方が多いと思います。
センバツと夏、何が違う?
――あと、これも少し意外だったんですけど、割と県内の選手も多いんですね。メンバーのうち、半分くらい鹿児島出身ですもんね。
小田 これは絶対、書いて欲しいくらいなんですけど、県内の子もすごく大事にしています。ちょっと広く言えば、九州の子たちで勝ちたい。ただ、もちろんですけど、こんなやつのところに来てくれるわけですから、どこ出身だろうと同じように大事にしますよ。
――昨夏の甲子園ベスト4のメンバーが多く残る今年、感触はいかがですか。
小田 春と夏では、考え方がぜんぜん違いますね。僕の中でミスと失敗は区別していて、取り組みや考え方で防げたものがミス、いずれ成功の糧となるものが失敗だと言っているんです。新チームがスタートしたばかりのときはミスも失敗もOKだよと言っています。春は一歩進んで、失敗はいいけどミスは許されないよ、と。夏は最終段階なので、失敗もミスも許されません。だから選抜は、まだ完璧なチームをつくって、完璧なゲームをしようと思わんでいい。チームをつくって半年以上経っているのでミスは許されないけど、失敗はするから、次につながるような試合をしてきなさいと言っています。