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伝説的ドラマ『スクール・ウォーズ』の体罰…下の世代はどう見た? 高校野球・神村学園の監督が語る「(葛藤に)苦しんでいるのは50歳前後の方たち」
posted2024/03/22 06:00
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Kei Nakamura
――小田さんは、ベンチ内での喜怒哀楽の表現が非情に豊かですよね。叫んだり、ガッツポーズをしたり。昨年の夏の甲子園では試合後、いつも声もガラガラで。昔から、あのような感じだったのですか。
小田 昔からですね。うちの子らは歯を食いしばって練習してきてますから。その成果が甲子園で出せたら、やっぱり嬉しいじゃないですか。まあ、最後は負けて悔しい思いもしましたけど。でも、去年の夏は僕もいい感じで甲子園の空気の中に入っていけたし、いつも以上に思い切ってできたなという気はします。
青春とは愛です
――あと、去年の夏の神村学園は「気愛」というスローガンが話題になりました。
小田 3年間、甲子園に行けてなかったので何か変えないといけないって思って、年始に今年のスローガンは「気愛」でいくよ、と。それまで愛がないチームだったんですよね。人に対して。今の時代、やっぱりそういう子が増えたなという気がするんです。自主性という言葉が象徴するように、自分を伸ばすことばかりに気持ちが行ってしまっているというか。野球ってそもそも1対1の場面が多いじゃないですか。
――団体競技でありながら、個人競技に近い側面がありますよね。
小田 でも、その1対1の積み重ねが最後、勝敗に現れるわけですよね。誰かが1対1で負けても、別の選手が1対1で勝てば取り返せる。それが野球じゃないですか。自分のことだけじゃない。だから、日本一になったら「青春とは愛です!」って言いたいなと思ってたんです。仙台育英の須江(航)さんが優勝したとき「青春は密」と言っていたので。
41歳でスクール・ウォーズのファン…なぜ?
――その愛というキーワードは、1980年代のドラマ『スクール・ウォーズ~泣き虫先生の7年戦争~』の影響なんですよね。弱小ラグビー部にある教師が赴任して、そこから全国制覇を成し遂げるという実話に基づいたドラマで、再放送でも視聴率が20%を超えたという伝説のドラマでもあります。