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「好んで坊主なのに…なぜダメって言うんでしょうか」神村学園の熱血監督が本音…スマホ使用ルール、全寮制の生活「それでも高校野球に捧げる理由」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph bySankei Shimbun
posted2024/03/22 06:02
今年のセンバツ練習前に座禅を組む神村学園の選手たち
小田 そうなんです。時間もかかるし、お金もかかるのなら、3000円かかるカット代を栄養の足しにした方がいいんじゃないかと思ってしまうんです。逆に髪の毛を伸ばすことのメリットって、何なんだろうと思ってしまうんですよね。
「チームとして、好んで坊主にしているのに…」
――髪型を自由にしても、結局、楽なので寮内で自分たちで丸刈りにしてしまうという話も聞きますよね。
小田 勝負の世界って、そんなに甘くないので、気持ちが見た目に行き始めるなら……と思うんですよね。古いと言われようとも、別に今、伸ばす必要もないだろう、と。彼ら自身もそういう気持ちでいますから。勝負どころは自分たちで五厘にしたりして。去年の夏も準決勝で仙台育英に勝ってたら、次の日、五厘にしていたと思います。向こうの山から決勝に上がってくるのは慶応か土浦日大だったじゃないですか。両校とも長髪なので、あいつらはその腹づもりでした。チームとして、好んで坊主にしているのに、なんでそれをみなさんはダメだって言うんでしょうか。
――学校の校則などで「学業に関心を向けるため」という理由で髪染めやパーマを禁止しているところもあるので、野球に集中するために丸刈りにしていると言ってもよさそうなものなのに、そうはっきり言うチームはあまりいないですよね。根拠があるなら、いいはずですよね。
小田 みなさんがダメだ、ダメだって言うからじゃないですか。
――おそらく丸刈りを強制するのはどうかと言っているだけで、丸刈りがダメだと言っているわけではないのですが、そういう雰囲気になってしまっているんでしょうね。
小田 なんか、そう聞こえますよね。この子たちはそれだけ野球にかけてるわけだし、五厘もこっちが強制しているわけじゃない。だったら、それも個性だし、それを尊重してやるのが自主性だと思うんですよね。
スマホの使用ルールは?
――全寮制ということでしたが、選手たちの携帯電話の取り扱いはどうしているのですか。