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6投手で完全試合も「山本(祐大)がよかった」井端弘和監督が語る“陰の立役者”とは? WBC後の世代交代…侍ジャパン捕手に求められるモノ
posted2024/03/10 17:01
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
JIJI PRESS
侍ジャパンの世代交代が進んでいる。
格下相手とはいえ欧州選抜に危なげなく連勝。しかも第2戦は6投手による継投で完全試合を達成するなど、井端弘和監督率いる新生侍ジャパンが今秋のWBSCプレミア12に向けて順調なスタートを切った。
2026年の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)から28年のロサンゼルス五輪と2つの大会を最終目標に、若手選手への切り替えを掲げる井端監督。中でも昨年のアジアプロ野球選手権大会から目につくのが、チームの司令塔ともいうべき捕手陣の若返りである。
完全試合の快投を引き出した“陰の立役者”
6投手の継投での完全試合となった第2戦。先発に関大・金丸夢斗投手、2番手に愛工大・中村優斗投手と、いずれも代表初選出のアマチュア選手を1、2番手に抜擢する大胆な継投が、好結果を生む一つの理由となった。そしてそのアマチュア2投手を含め、投手陣の快投を引き出した陰の立役者として井端監督が指名したのが、先発マスクを被った山本祐大捕手(DeNA)だった。
「山本が良かったと思います」
試合後の指揮官の言葉だ。
「山本は投手主導のリードで、金丸と中村の持ち味を存分に引き出してくれた。チームが流れに乗れる一つの理由だったと思います」
指揮官からこう評価された山本は、初コンビとなった大学生投手2人には「緊張しているという話だったので、本人には何とか自分のピッチングしてくれればいいよという話をしました」と語りこう続けた。
「昨日の試合を見ていても欧州代表のバッターは山下(舜平大投手)の150km後半の真っ直ぐにもついてきて、真っ直ぐに対する反応がすごく良かった。何とかその反応をよくさせないように考えていましたし、いい具合にストレートを速く見せられたんじゃないかと思います」
代表チームの捕手に求めるものが変化
山本は2回の第1打席では先制となる犠飛を打ち上げ、数少ないチャンスにバットでも貢献。
井端監督も「昨シーズンに打撃面も急成長を見せている」と評価する。初めての代表選出でその存在感を十分にアピールして、11月のプレミア12への出場に大きく一歩を踏み出したと言えるだろう。