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6投手で完全試合も「山本(祐大)がよかった」井端弘和監督が語る“陰の立役者”とは? WBC後の世代交代…侍ジャパン捕手に求められるモノ
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byJIJI PRESS
posted2024/03/10 17:01
欧州代表との強化試合で「完全リレー」を達成した侍ジャパン6人の投手陣。(左から)松山晋也、渡辺翔太、金丸夢斗、中村優斗、隅田知一郎、種市篤暉…井端監督は先発マスクをかぶった山本祐大捕手を評価した
「今回招集された3人にはそれぞれに特徴があると思います。あと各チームから選手が集まってくる代表チームのキャッチャーとして、大事なのはコミュニケーション能力の高さ。甲斐とか中村もそういう部分が非常に素晴らしかったと思いますし、今回招集した3人の捕手も、投手陣との連携をしっかりとって、そういう部分をしっかり見せてくれたのも大きかったと思います」
村田コーチは3人をこう評価した。
坂倉と山本が25歳で古賀が24歳。3人とも井端監督の進める世代交代にピタリとはまる年齢層の選手である。
「打てるということでいえば、ヤクルトの内山(壮真捕手)あたりも注目しています。彼は捕手だけでなく色々なポジションもこなせるし、足もある。5年後を見据えたときに、彼らがやはりキャッチャーの中心になってくると思いますし、なってくれなくては困りますね」
井端監督は確信を込めてこう語った。
勝ちながら世代交代を進める
異例とも言える大学生4人をフル代表に選出した強化試合。金丸、中村両投手が期待通りの投球内容を披露すると、野手では青学大・西川史礁外野手が攻守に溌剌としたプレーでチームに貢献した。第1戦では代走から途中出場すると、初打席で左翼線二塁打を放ち、8回にも左前安打で2安打の活躍。「1番・センター」に抜擢された第2戦でも、第1打席で投手強襲安打を放って一塁にヘッドスライディング。完全試合遂行中の7回には、左中間のライナーをダイビングキャッチ。
「抜けたと思ったけど、さすが元遊撃手。思いきりと反応の良さが出た」と指揮官も絶賛のプレーで完全劇を演出した。
招集後に明大・宗山塁内野手の骨折が判明するアクシデントはあったが、この大学生たちの活躍もまた、ファンにとっては将来のジャパンの姿が見られた2試合だったと言えるだろう。
勝ちながら世代交代をしっかり進める。その上で、最大の目的は世界で勝つことだ。井端監督率いる新生侍ジャパンの真価が問われる「WBSCプレミア12」は11月10日、バンテリンドームで開幕する。