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練習試合で初の4番に抜擢…“捕手と野手の二刀流”ヤクルト《2020年ドラ3》内山壮真に覚醒の予感 171cmの小兵が「グラウンドで大きく見える」ワケ
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2024/02/19 06:00
練習試合で4番に抜擢されるなど飛躍が期待されるヤクルトの4年目・内山壮真。昨季まで捕手と外野手の二刀流で戦ってきた
本人は「振る力はついてきている」と自負しているが、一昨年からテーマにしてきたのは“空振り率”だ。
「一軍の試合に出場するようになった頃から(空振り率が)すごく高かったんです。特に高かったのが変化球の空振り率です。(一昨年の)シーズンオフにアナリストの方から指摘されて改善して三振は減ったんですけれど、打率は上がらなかったんです。
でも去年のオフに動作解析などもやって、自分の打撃を見直してきました。打ち損じがヒットになれば自然と打率は上がるとは思いますが、今の空振り率のままでいけば、今季はもう少しレベルが上がるのではないかと。個人的にはそこは楽しみです」
何より内山がこだわるのは140試合以上、継続して試合に出続けることだ。
「自分は1年目から一軍での出場機会はありますが、今までの3年間はまだ140試合出られていないので……。140試合出ても、そこでしっかりパフォーマンスができる体力を身につけたいです」
「捕手と外野手、どっちで試合に出たいのか」ともよく尋ねられるという。
内山はクールな表情はそのままに、胸の底にある思いを丁寧に紡ぐ。
「起用方法に関してはチーム事情があるのでそこに沿うのは当然なんですけれど、どっちに振り切るか、というのがあると思うんです。でも今の自分は現時点では(捕手か外野手か)どちらが良いかと聞かれたら、それは分かりません。キャッチャーには振り切れないし、かといって外野手に振り切ってバッティングに力を入れるとか……今の自分では(決めきれない)。ただ、昨季は捕手としての出場機会が減っていたので、そこは悔しかったですね」
「ヤクルトの柱になれるような選手に」
キャッチャーというポジションはとにかく突き詰めるべき要素が多い。「でも、それは言い訳にできないので、とにかく一生懸命やるしかない」と自戒を込めつつ、打撃への期待は高いだけに「打つ方でしっかり結果を出して、ポジションをひとつに絞れるくらいにはやっていきたいですね」と語気を強める。
チームとしては2連覇の後に5位に沈んだ昨季からの巻き返しを図る2024年。内山にとっての4年目のシーズンは、どんなものにしたいのか。
「まだ自分はチームの中心のような感じではないので、ヤクルトの中で核というか柱になれるような選手になりたいです」
着実に進化を遂げているヤクルトの“二刀流”から、今季も目が離せない。