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練習試合で初の4番に抜擢…“捕手と野手の二刀流”ヤクルト《2020年ドラ3》内山壮真に覚醒の予感 171cmの小兵が「グラウンドで大きく見える」ワケ
posted2024/02/19 06:00
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
Fumi Sawai
今季で4年目となるヤクルトの内山壮真がプロ野球選手として過ごしてきたこれまでの3年間は、実に濃かった。
ルーキーだった2021年はチーム内で新型コロナウイルス感染者がでたことで特例により、開幕直後に一軍登録されることに。フレッシュオールスターに出場しMVPを獲得すると、ファームでも指名打者や捕手として74試合に出場。表舞台に立った機会が多かったことと、アピールできた要素もあり2年目の春季キャンプは初日から一軍に帯同。開幕戦の阪神戦ではプロ初安打、初打点をマーク。チームは2連覇し、オリックスとの日本シリーズ第2戦では、9回無死、一・二塁で代打起用され、同点3ランを放ったシーンも記憶に新しい。
3年目だった昨季は一軍に定着し、出場機会を増やすために外野手の練習にも時間を割いた。リーグ戦では主に右翼手として起用され、94試合に出場。巨人の大勢、菅野智之などエース級の投手から放ったものを含め勝負どころで計6本のホームランも放ち、持ち前の長打力も試合を追うごとに見せつけていった。
星稜校時代は甲子園で準優勝
ドラフト3位で入団。決して“目玉”として扱われていた訳ではないが、正捕手の中村悠平をケガで欠いた期間があるなど様々な巡り合わせもあり、与えられたチャンスをここまで着実にモノにしてきた。
星稜高時代も1年夏から正遊撃手としてレギュラーを掴み、2年夏には当時のエース奥川恭伸(ヤクルト)らと共に甲子園で準優勝。新チームとなった2年秋からは本職である捕手に戻り、主将としてチームをまとめるなど常にチームの柱となってきた。
身長は171cmとプロ野球選手の中では決して大きい方ではないが、グラウンドに立つとあまり小柄には見えない。それは内山が持つ体の強さも一因となっているように思う。
空手の全国大会出場経験のある父を持ち、父が営む空手道場に2歳から通っていた。小学校に入ると野球も始め、子供の頃は空手、野球という二足のワラジを履いてきた。幼い頃から鍛えてきた体幹の強さ、そして太さが体格を大きく見せているように映る。
星稜中時代は遊撃手、捕手と2つのポジションをこなし、U-15アジア選手権日本代表に選出された経歴も持つ。つまり、幼い頃から“二刀流”として内山はボールを追い続けてきたのだ。