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WBC“衝撃のスピード走塁”ソフトバンク周東佑京の今「取材でもちゃんと喋らなきゃ」「どうやったら試合に出られるか」レギュラー未定の“焦り”
posted2024/02/19 11:04
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
JIJI PRESS
かつて同一チームからシーズン100打点以上を4人も誕生させた球団がある。2003年の福岡ダイエーホークスだ。
3番・井口資仁、4番・松中信彦、5番・城島健司、6番・バルデス……プロ野球史上唯一の「100打点カルテット」の破壊力を武器に、王貞治監督の率いるダイエーは日本一の栄冠を手にしたのだった。
その再来が今年のソフトバンクで見られるかもしれない。
王球団会長兼特別チームアドバイザーもこう太鼓判を押す。
「去年までは左バッターが圧倒的に多い打線でしたが、山川とウォーカーが入って、この2人はかなりホームランも打てるし(打)率もそれなりに残せるのはもう分かってますから。打線にはすごく期待をしています」
王会長「やはり野球は点取りゲーム」
柳田悠岐と近藤健介の2大主砲を誇った昨季の打線に、今年は山川穂高とアダム・ウォーカーが加わった。山川は西武時代に120打点以上を2度も記録している。ウォーカーは未知数な部分があるものの巨人時代の2022年には23本塁打、52打点を記録しており、DH制のあるパ・リーグ移籍で大いなる飛躍が期待されている。
王会長への取材の中で「100打点カルテットの再来もあるのでは」と質問を重ねると、大きく頷いて「やはり野球は点取りゲームですから」と力を込めた答えが返ってきた。
だがしかし、攻撃は打“線”である。彼らにつなぐまでの上位打線がいかに出塁するか。2003年のダイエーも1番を打った村松有人は打率.324、出塁率.372を残してリードオフマンとして最高の役割を果たした。
そう、ソフトバンクの攻撃力を本当の意味で引き出すカギを握っているのは1番打者である。
周東佑京がいるではないか
昨季のソフトバンクは8人の選手が1番打者を務めた。最多は中村晃62試合。なかなか固定することが出来なかった。もちろん今は固定メンバーで戦う時代ではない。それでも軸となる選手を作っておくほうが戦いやすいのは当然だ。
1番打者の理想形は出塁率が高く、塁に出れば相手バッテリーをかき乱す俊足選手がいいというのが定説である。
ソフトバンクにはうってつけの選手がいるではないか。日本一のスピードスター、周東佑京(28歳)である。