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ヤクルト→DeNAに電撃移籍も「トレードはあるかもと思っていた」西浦直亨32歳が明かす“新天地での変化”「とにかく結果を出して恩返しをしたい」
posted2024/02/12 11:02
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Sankei Shimbun
「宜野湾組」に選出された意味
新天地に懸ける想い――。
昨年7月に東京ヤクルトスワローズから横浜DeNAベイスターズに移籍をした西浦直亨は球春到来の2月、キャンプ地の沖縄県宜野湾市で、日々汗を流している。プロ11年目。若手に交じって西浦は声を出し、溌剌とした動きを見せていた。
「じつは宜野湾の球場に来るのはプロになって初めてなんです。宿泊しているホテルからは海も見えるし、何かすごく新鮮な気持ちで一日一日を過ごしています。練習ではいい感じで動けていますし、やらなきゃなって」
浅黒く焼けた肌に引き締まった精悍な顔つき。西浦の表情からは充実している様子が窺われた。
この4月で33歳になるベテラン。実績のある同年代の選手たちは、一軍スタッフが指導する宜野湾(A班)ではなく、ある程度の自己調整が認められている奄美大島(B班)のキャンプに参加している。西浦は、首脳陣の目に止まりやすい宜野湾キャンプに選出された意味を十分に理解している。
「とにかくアピールすること。バッティングはもちろんですが、走塁、そして複数のポジションを守れるユーティリティー性を見せられるように毎日取り組んでいます」
張りのある声の中に、危機感が滲み出ていた。
電撃トレード
突然のトレードだった。シーズン中の移籍の期限が迫っていた昨年の7月26日、西浦と阪口皓亮のトレードが、ヤクルトとDeNAの両球団から発表された。DeNAとしては右打ちの内野手が補強ポイントであり、実績のある西浦に白羽の矢が立った。
トレードを西浦が悟ったのは、ファームの試合で遠征していた仙台でのことだった。