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人的補償で移籍・甲斐野央が明るい表情で投げ込み!“テレビに映らない”西武キャンプ風景…ブルペンでのデータ改革をアナリストに直撃
posted2024/02/17 11:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
「うちは1クール目ですが、みんなしっかり作ってきていますから、すぐにブルペンで投げ始めますよ」
埼玉西武ライオンズの広報担当氏の言う通り、2月9日、1クール4日目の宮崎県日南市南郷町のライオンズのブルペンは、一軍クラスの投手がずらっと並んだ。一度に8人の投手が同時に投げることができるブルペンは壮観である。
甲斐野の快速球がうなり、表情も明るく
この日は、同じ日南市油津の広島東洋カープのキャンプが休養日なので、報道陣の数が多い。カメラの放列が並ぶ中、11時過ぎ、投手陣が投げ始めた。
どうしても先に目が行くのは背番号34、FA移籍した山川穂高の人的補償でやってきた甲斐野央だ。ゆっくりと体を動かすと、すぐに捕手を座らせて投球モードになった。筆者は筑後のソフトバンクのファームで、二軍とはいえ並みいる打者を圧倒するシーンを何度も見てきたが、その快速球はもう大活躍したプロ1年目の調子を取り戻しているようだ。軽快なピッチで投げていく。もともと明るい性格の選手だが、表情は明るかった。
その横で背番号69が、勢いのある球を投げている。一昨年の新人王・水上由伸である。昨年は、右肩のコンディショニング不良などで23試合の登板にとどまったが、この日はそういう不調を感じさせない。リベンジを期して、早々にブルペンでアピールしている印象だ。
ダイナミックなフォームから投げ込んでいるのは若手か? と見ると背番号14、35歳の増田達至だ。一昨年まで絶対的なクローザーとしてチームの信頼を得てきたが、昨年は40試合に登板して4勝4敗19セーブ、防御率5.45と大きく崩れた。一度その座を失ったクローザーが復活するのは並大抵のことではないが、抑えの座を取り戻すために、まなじり決してのブルペンになるのだろう。
アンダースローにドラ2、新外国人も
遠めでも流れるようなアンダースローが美しい背番号15、與座海人。この投手も一昨年10勝を挙げたが、昨年は援護が少なかったこともあり2勝止まりだった。再起を期しての春季キャンプだ。フォームそのものは美しいがリリースの際の力感はこの投手ならではだ。
背番号23、小柄な右腕が小気味よい投球を見せている。