NumberPREMIER ExBACK NUMBER

青学大「一色(恭志)とその他」の“狭間世代”が箱根駅伝3連覇&三冠を達成するまで…主将が明かす快挙の舞台裏「このままだと、お前邪魔だ」 

text by

佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

PROFILE

photograph byNanae Suzuki

posted2024/01/02 18:20

青学大「一色(恭志)とその他」の“狭間世代”が箱根駅伝3連覇&三冠を達成するまで…主将が明かす快挙の舞台裏「このままだと、お前邪魔だ」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2017年箱根駅伝でゴールテープを切った青学大の主将・安藤悠哉。狭間の世代と呼ばれながら箱根3連覇と青学史上唯一の三冠を達成した

 それまでは自室でやっていたコアトレーニングをあえてみんなが目にするトレーニングルームでやるように変えた。

「ジョグの時や練習の時は、できるだけ先頭に立ち、積極的に引っ張っていました」

 池田はチーム内で「練習の虫」と言われていた。ある朝のジョグでは、1km3分50秒ほどのペースでいつの間にか45kmを走っていたという。走ることが大好きだったわけではない。むしろ不安に駆り立てられての行動だった。

「高校時代から自分に自信のない状態が続いてたから、常に不安と戦ってました」

 ひたむきな努力が実を結び、3年時には関東インカレのハーフマラソンで優勝(4年時も連覇)する。当初、「三冠」に反対したとはいえ、箱根は憧れであり、自分が走った上で優勝を味わいたかった。

「最後の箱根は絶対に走りたい。そのことだけに集中していました」

「このままだとお前、邪魔だ」

 夏は1200km以上走り、足を作った。10月に入り、これからという時、5000mの記録会で14分37秒の低調なタイムに終わった。見ていた原監督は「生成がなぁ」とぼやいた。

「それからスピード練習は全部外しっぱなし、ドン底でした。最後の箱根に向けて大事な時に『これかよ』と思うと、かなり気持ちが落ちてしまいました」

 練習は真面目に続けていたが、同期の目には内面の微妙な変化が透けて見えたのかもしれない。

「このままだとお前、邪魔だ。箱根を走る意気込みはどうした。このまま終わっていいのか」

 安藤の叱責が心に突き刺さった。

【続きを読む】雑誌が読み放題のサブスク「NumberPREMIER」内の《2017年の青山学院大学》「一色(恭志)とその他」と呼ばれた“狭間の世代”が、三冠を達成するまで【原監督への反発と信頼】で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

Number1087・1088号「箱根駅伝 100回の名勝負」 ※書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプしますNumber1087・1088号「箱根駅伝 100回の名勝負」 ※書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

関連記事

BACK 1 2 3
青山学院大学
原晋
安藤悠哉
一色恭志
池田生成
神野大地
久保田和真
小椋裕介

陸上の前後の記事

ページトップ