山の神世代は卒業し、個々の力では劣りながらも史上6校目の3連覇と青学史上初の三冠を成し遂げた。快挙の裏側を当時の4年生たちが語る。
「君ら4年生、だらしないぞ!」
青山学院大学・原晋監督の怒号が響いた。
原監督は、「学生スポーツは4年生が引っ張って成り立つ」「主将は競技で引っ張るもの」という考えを持っていた。
そのどちらも実現できていない4年生の代表として、主将の安藤悠哉は監督の怒りの矢面に立っていた。
「2013年入学の僕らの代は、1年の時から『一色(恭志)とその他』と言われてたんです。期待されていないというか、呆れられていた。4年になっても一色以外に顔が立つタレントがいない上に、自分も含めて故障者が増えてチームを引っ張れない。監督が言うほどだらけてはいなかったと思いますが、結果を出すこと、突き抜けることができていなかったのは確かです」
当時の青学大は、神野大地、久保田和真、小椋裕介ら最強世代が箱根連覇を置き土産に卒業。安藤らに引き継がれたが、彼らとの比較で下に見られることが多かった。
安藤と同期の池田生成も最強世代と自分たちの雰囲気の違いは感じていた。
「上の代はストイックに勝つことにこだわっていました。でも、自分たちの代は全員が『がっちり勝っていこう!』というキャラではなく、ちょっとマイルドなやつもいる。田村(和希)や下田(裕太)といった1つ下の代は神野さんたちと同じ雰囲気があって、すでに『主軸は俺たちなんだ』みたいな意識を持っていました。だから我々が狭間だったんですね(笑)」
新チームの目標を決める際、「三冠」を掲げるのに反対したのが誰あろう池田だった。
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photograph by Nanae Suzuki