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駅伝ファンもビックリ…なぜ高校駅伝の名門校は“坊主頭をやめた”? 中学生が不安そうに「やっぱり坊主強制ですよね?」佐久長聖高監督が語るウラ側
posted2023/05/11 17:19
text by
山崎ダイDai Yamazaki
photograph by
JIJI PRESS
いつもと同じ光景のようで、感じずにはいられない違和感。さて、その正体は――?
昨年12月に京都で行われた全国高校駅伝でのことだ。
エース区間の1区10kmで区間1位、2位を占めたのは、いずれも駅伝強豪校として名高い兵庫・西脇工業高校の長嶋幸宝(当時3年、4月から旭化成)と、長野・佐久長聖高校の永原颯磨(当時2年)。佐久長聖は総合でも準優勝し、日本人高校最高記録を更新。西脇工も6位入賞を果たした。
「坊主頭じゃなくなった」
ちなみに長嶋は夏のインターハイ5000mでも6位入賞(日本人2位)しており、永原も2年生ながら3000m障害で準優勝するなど、実力は十分の選手である。この日も2人の走りはその後のチームを勢い付ける好走ではあったが、それはある意味で「実力通り」だった。
そう、駅伝ファンたちが驚いたのはその走りではない。走り以上の注目を集めたのは、その端正な顔立ちの上で“なびく”黒髪だった。
自身も箱根駅伝の出走経験がある俳優の和田正人は、Twitterでこうつぶやいた。
「高校駅伝を観ていて、何が一番驚くかって、優勝候補の名門、佐久長聖高校や西脇工業が坊主頭じゃなくなった。我々世代からすれば、考えられない変化だぜ――」
確かにひと昔前までは、駅伝強豪校=坊主のイメージは全国共通のものだった。
もともと長距離という競技が「耐え忍ぶ」要素が強いことも相まって、かつてはどことなく修行僧的なイメージすら付きまとっていた。ところが、その状況がここ数年で大きく様変わりしてきているのだ。
では、伝統校の指導の現場ではいま何が起きているのだろうか?
監督に話した「髪を伸ばそうと思います」
「実際、本校では昔から坊主が強制だったわけではないんです。ただ、やっぱり長年続くチームの雰囲気から、なんとなく髪を伸ばすことを躊躇っていた子が多かったように思います」
そう語るのは、2011年から佐久長聖高校駅伝部の監督を務める高見澤勝だ。