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誹謗中傷を見て「競技を続ける意味あるのかなぁ」32歳で引退、下門美春に聞いた“女子陸上選手の日常”「集団走で後輩のナプキンが落ちて…」

posted2023/05/04 17:01

 
誹謗中傷を見て「競技を続ける意味あるのかなぁ」32歳で引退、下門美春に聞いた“女子陸上選手の日常”「集団走で後輩のナプキンが落ちて…」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

プロ選手となり、批判もダイレクトに届くようになったと語る下門美春さん。SNSでの批判や生理など選手として直面した問題を明かしてくれた

text by

佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

PROFILE

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Yuki Suenaga

 2月末の大阪マラソンで、現役を引退した下門美春さん。高卒後、2009年に実業団入りし、2年間のフリーター生活を過ごすものの再度、実業団で現役に復帰し、プロランナーとして活躍した。「私はトップ選手になれなかった」と口にする彼女に競技生活の中で経験してきた実業団選手の日常、誹謗中傷への思いや女子選手としての苦労などについて語ってもらった。(全2回のうち#2/前回は#1へ)

体重デート

 下門さんは、18歳の時、第一生命で実業団選手としての生活をスタートした。寮に入ったが、大学でありがちな厳しい上下関係はなかった。

「寮はひとり部屋ですし、先輩のお世話をするとかもなかったですね。門限は土曜日が夜9時半、日曜日が夜9時で、これは年齢関係なくありますし、外泊禁止だったのでそこは厳しかったんですが、それ以外は干渉もなかったです。合宿で熊本によく行ったんですけど、寮から羽田空港までは各自で行くんです。何か食べたいという人は早めに出たり、最終的に熊本の空港で集合みたいな感じだったので気が楽でした」

 だが、2カ月近い合宿に入ると監督やコーチの管理下に置かれる。

 ベストの体重に調整できていないと目をつけられた選手は、集合時間よりも1時間早くコーチの部屋に行き、体重を量る“体重デート”があった。監視の目も厳しい。食事の際、下門さんは味が付いていないものが苦手だったので、サラダにドレッシング、そしてオムレツにケチャップをかけていた。それを見ていたコーチに呼び出されて、「そういうのをかけるから喉が渇いて水を飲む。だから体重が増えるんだ」と注意された。

「もうめちゃチェックしているんですよ。ケチャップかけてもそんなに変わらないのに」

恋愛事情は…?

 男子の合宿は、中日のオフに外食したり、最終日は打ち上げで飲んだりすることが許されているチームも多いが、女子の場合は、そもそも打ち上げがないという。

「ランチは各自の時もありましたが、合宿のオフに外食に行くとかはあまりなかったです。合宿最終日も夕食の中で、軽く一杯いただきますっていう程度で、夜の外食の時は絶対にスタッフが一緒にいましたね」

 テレビドラマなどでは、そんな厳しくも愛のある指導をしてくれる監督やコーチに憧れて、恋愛感情に……という描かれ方もするが、実業団の場合は、どうなのだろうか。

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