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白熱ラグビー早明戦…念願の“年越し”を決めた早稲田がいいチームに仕上がってきた!「少なくともあと1週間、このチームを見られる」
posted2022/12/28 17:01
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Sankei Shimbun
早稲田と明治。
日本ラグビー界、最高にして最良のライバルは、最初の対戦から99年が経過してなお、色褪せない魅力を保っている。
今年も、そうだった。12月第1日曜日に対抗戦で激突し、なおかつこの4年間で3度、大学選手権で再戦しているが、連勝がない。
〈2019年〉
対抗戦 明治(36-7)
大学選手権決勝 早稲田(45-35)
〈2021年〉
対抗戦 早稲田(17-7)
大学選手権準々決勝 明治(20-15)
〈2022年〉
対抗戦 明治(35-21)
大学選手権準々決勝 早稲田(27-21)
今年の大学選手権準々決勝はライバル対決にふさわしい熱戦となった。
ノーサイド寸前、6点差を必死で追う明治。しかし最後はキャプテン相良昌彦の値千金のジャッカルで早稲田が逃げ切ったが、ノーサイド後の早稲田の相手に対するいたわり、相手を讃える明治の清々しさは胸を打つものがあった。“リスペクト”という言葉が濃密に凝縮された瞬間だった。
なぜか受けてしまう今年の早稲田
さて、早稲田である。
ここ数試合、会見で大田尾竜彦監督の言葉を聞いていると、2つの大きな課題があることが浮かび上がっていた。
「試合の入り」
「22mに侵入してからのアタックの精度」
今年の早稲田はスロースターターである。早慶戦では前半を0-10で折り返し、早明戦では前半25分の段階で0-21と劣勢に立たされた。なぜか受けてしまうのだ。その課題を抱えた準々決勝では変身、前半11分に連続攻撃から見事なトライを奪った。
これを演出したのは今季初先発、SOの伊藤大祐だった。