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オリ比嘉幹貴40歳=3600万円、宮城大弥21歳=8000万円の“年俸格差”…「労多くして功少なし」リリーフの待遇を考えるべき時では

posted2022/12/21 17:46

 
オリ比嘉幹貴40歳=3600万円、宮城大弥21歳=8000万円の“年俸格差”…「労多くして功少なし」リリーフの待遇を考えるべき時では<Number Web> photograph by Nanae Suzuki/Hideki Sugiyama

比嘉幹貴と宮城大弥。オリックス日本一に欠かせない2人である一方、持ち場によって“年俸格差”が生まれている

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Nanae Suzuki/Hideki Sugiyama

 今オフの契約更改で、筆者が注目した選手がいる。オリックスの比嘉幹貴だ。

 12月7日で40歳になった比嘉は今季30試合に登板して21.1回、5勝1セーブ5ホールド、防御率2.53という記録を残した。

 試合数よりイニング数の方が少ないことでもわかるように、比嘉は「ワンポイント」起用が中心の投手だった。

日本シリーズでの好リリーフは強い印象に残った

 とりわけ強い印象を残したのがヤクルトとの日本シリーズだ。比嘉はチームのピンチでマウンドに上がって水際立った投球をした。

 第1戦 5回無死 三振・三振・遊直

 第2戦 11回 中前打・一邪飛・三振・三振

 第3戦 6回1死二塁 四球・中飛・三振

 第5戦 5回2死一、三塁 遊ゴロ併殺打

 第7戦 8回1死 三振・投ゴロ

 第1戦は絶対的なエース山本由伸が左わき腹痛で緊急降板、急遽登板した比嘉が三者を下した。第2戦は延長11回に登板し無失点、第3戦は先発・宮城大弥が二塁打を打たれて降板したのを受けてマウンドに上がり無失点に抑えた。第5戦は先発・田嶋大樹が失策がらみで逆転を許した直後に登板すると、併殺でピンチを切り抜けた。そして最終7戦は救援・山﨑颯一郎が4点を奪われ1点差に迫られた局面で登板し、二者を退けた。

 5試合4回1被安打1与四球6奪三振、自責点0。

 第2、5、7戦で比嘉が失点していれば、オリックスの日本一はあり得なかった。率直に言って、このシリーズで彼ほど心強い投手はいなかった。

 しかしオフの契約更改では比嘉に提示された年俸(推定)は、驚くべきものだった。

 比嘉幹貴 40歳 30試5勝0敗1S 5H 21.1回 率2.53 3600万円

 近藤大亮 31歳 32試1勝4敗2S 15H 30回 率2.10 4200万円

 宮城大弥 21歳 24試11勝8敗0S 0H 148.1回 率3.16 8000万円

 田嶋大樹 26歳 20試9勝3敗0S 0H 125回 率2.66 1億円

 比嘉は同じ沖縄県出身で、19歳年下の宮城の半分以下の年俸だ。そしてトミー・ジョン手術で2年間登板がなく、今季の初めには育成契約だった近藤大亮よりも低い。

 比嘉は2013、14年とシーズン50試合以上登板し、2年で42ホールドポイントを記録したが翌2015年春に肩を痛め、以後、登板数が減少した。年俸を上げる根拠がない時期が続いたために低い年俸のままで推移し、2020年の更改は1900万円、21年は2800万円だった。

 その経緯を見れば仕方がないともいえるが、酷使によって故障した挙句に出場機会が減って年俸が下がる、という救援投手の理不尽さに「納得いかない」気持ちもするのだ。

最強セットアッパー平良が先発転向を訴えた

 偶然ながら同じ沖縄県出身の西武のセットアッパー、平良海馬が、契約更改時に救援から先発への転向を訴えた。

【次ページ】 なぜ投手は「救援より先発」と考えるか

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