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“りくりゅう”ペアはGP2大会優勝も、日本のペア代表枠「3」が“余っている”問題…シニアは実質1組だけ、日本人ペアが少なすぎる理由とは?
posted2022/11/27 11:01
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
フィギュアスケートのNHK杯は各種目ともに日本の選手の活躍に沸いた。とりわけ、ペアの三浦璃来・木原龍一の優勝とその演技は鮮烈な印象を残し、大きく注目を集めた。
りくりゅう優勝の翌日に発表された、あるペアの解散
エキシビションが終わった翌日の21日、思いがけない発表があった。ペアの柚木心結、市橋翔哉の解散である。
それはあらためて、日本のペアの現状を思い起こさせることになった。シニアのペアが、三浦・木原のわずか1組になったからである。
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その影響は大きい。直近では来年3月にさいたまスーパーアリーナで行われる世界選手権にも波及する。日本のペアの出場枠は本来「3」。昨シーズンの世界選手権で三浦・木原が銀メダルを獲得して得られた枠だ。高橋成美・マーヴィン・トランが2枠を確保したことはあったが、日本の「3枠」は初めてのことだった。
だが柚木と市橋の解散により、1枠しか活かせないことになった。そもそも3枠あっても2組しか参加できるペアがいない状況であったことも、ペアの現状を示している。代表としての出場権をめぐっていつもしのぎを削る男女シングルとは大きく異なる。
ペアの選手層が薄いことはこれまで課題とされてきた
ペアは選手層がきわめて薄いことはこれまでもしばしばクローズアップされ、課題とされてきた。
2014年ソチ五輪から団体戦が採用されることが決まったときもそうだった。2000年代後半から2010年代初頭、日本では前述の高橋・トランが活躍していたが、他の国際大会と異なりオリンピックでは代表となる国の国籍でなければならない。カナダ国籍であるトランは日本への帰化も模索したがかなわず、2人は解散し日本のペアは不在の状態に陥った。そのため、2013年1月に高橋と木原がペアを組み、ソチ五輪に間に合わせた経緯がある。