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異名は「ランボルギーニ」フィギュア界大注目の17歳・三浦佳生の“独特な語録”「女子にモテると…」「ビューティー2割、ビースト8割」
posted2022/11/29 06:00
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Getty Images
「三浦語録」というとサッカーのカズを思い浮かべるかも知れないが、フィギュアスケート界では、今季最も勢いのある17歳、三浦佳生のこと。自身を「中2病」と言い、独特のドラマティックな世界観を語る。
小学生の頃からジャンプ力には定評があった。理由をこう説明する。
「3回転5種類を跳べたら女子にモテると言われて、気合入れて練習して跳べるようになったんですが、モテなかったです」
昨季、羽生結弦とアイスショーで共演した際には、肉ばかり食べていると、羽生から「野菜も食べなよ」とアドバイスを受けた。
「野菜を食べるよう心がけてからニキビが改善しました」
本格的なシニア参戦となった今季。フリーの「美女と野獣」を初披露した東京選手権では、スタミナ切れで中盤からミスが出る演技に。
「最後(のコレオシークエンス)は人間に戻る予定だったんですけど、今日はビーストが10割でした。王子に戻れるように頑張ります」
その翌週のジャパンオープンでは、後半のミスを修正し、こう話して会場の笑いを誘った。
「ビューティー2割、ビースト8割で、まだビースト成分高め」
ランボルギーニの異名をとるスピード感
真価を発揮したのはGPシリーズだ。初戦のスケートアメリカでは、フリーでイリア・マリニン(米国)の演技を見てから本番に挑み、ひるまず銀メダルを獲得した。マリニンの4回転アクセルについてはこう語る。
「僕は5回転サルコウを一度だけ締めたことがあります。でも半回転くらい足りなくて身の危険を感じたので、マリニンはチャレンジ精神がすごいと思います」
2戦目のスケートカナダでは、フリーの6分間練習中に靴紐が切れるアクシデントに見舞われた。紐を結び直すと、ぶっつけ本番でジャンプ構成を変更して銀メダルに。一番乗りでファイナル進出を有力にした。優勝した宇野昌磨も、こう評価する。
「三浦選手はすごいスピードで成長していて、今季中に世界のトップで戦う選手になる。僕も置いていかれないように頑張らないと」
すでに4回転フリップも練習中で、ランボルギーニの異名をとるスピード感も誇る。覚醒の瞬間、何を語るのか。三浦の演技を見逃せない、そして語録を聴き逃せない。