Jをめぐる冒険BACK NUMBER
NHKで不敵発言“ドイツの有能33歳分析官”の鼻をへし折れ…鎌田大地が明かす“ゲーゲンプレス回避”の核心は「どこが空いているか」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKoki Nagahama/JMPA
posted2022/11/21 18:45
ブンデスリーガでハイパフォーマンスを見せる鎌田大地。ドイツのゲーゲンプレスを打ち破るカギとは?
ところがその後、パスが繋がらなくなってしまう。相手にボールを渡すということは、守備の時間が長くなることを意味する。リードしたチームが受け身になるのはサッカーではよくある傾向だが、ボール支配率が大きく下がって守備だけをしなければならなくなった。リアクションが多くなると疲弊する。疲れてくれば、相手にそれだけチャンスが増えるわけで、まんまと逆転されてしまったのだ。
指揮官はこのデータを教訓とした。
「だから、この4年間、マイボールを大切にしながら、速攻に行ける場面では速攻を仕掛け、遅攻すべき時は遅攻する。主体的に試合をコントロールしていくことは、チーム作りのテーマにしてきた」
ドイツ対策が着々と進んでいるのは間違いない
6月のブラジル戦で後方からのビルドアップにトライしていたのも、実験的な意味合いがあったに違いない。果たして日本の選手たちはどこまで、ブラジルのプレスをかい潜れるのか、と。
メディアセンター内に選手の声が響くほど白熱していた20日のトレーニングで、ゲーゲンプレス回避に取り組んでいたのかどうかは分からない。だが、ドイツ対策が着々と進んでいるのは間違いないだろう。
W杯初戦のドイツ戦までいよいよ、あと2日だ。<つづく>
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