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NHKで不敵発言“ドイツの有能33歳分析官”の鼻をへし折れ…鎌田大地が明かす“ゲーゲンプレス回避”の核心は「どこが空いているか」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKoki Nagahama/JMPA
posted2022/11/21 18:45
ブンデスリーガでハイパフォーマンスを見せる鎌田大地。ドイツのゲーゲンプレスを打ち破るカギとは?
「彼らはゲーゲンプレスという言葉があるように、ボールを奪われてから速いプレッシャーを掛けてくるチーム。いま戦術練習をやっていますけど、ボールを奪ったあとに常にどこが空いているのかをチームとして共有している。
極端に言えば、ボールを奪ったあとに見ないで蹴ってもそこに味方がいないといけないぐらいの感覚でやっている。あとは、そのパスがしっかり前に入れば、いいカウンターができるだろうし、そこでミスが続けば相手の時間帯になる」
ヒントは“ドイツが敗れたハンガリー戦”にある
番組では9月に行われたドイツ対ハンガリー戦のあるシーンを紹介していた。
そこでは、ハンガリーのボランチの選手がゲーゲンプレスの間隙を縫ってトップ下の選手へ縦パスを通し、ドイツの選手3、4人を置き去りにしていた。
3、4人がひとりの選手を囲い込もうとするわけだから、その選手たちがもともと受け持っていたエリアにはスペースが生まれている。
それが鎌田の言う「どこが空いているか」というわけだ。
ゲーゲンプレスを受けた遠藤航がフリーの鎌田に縦パスをスパンと通せたら……。
あるいは、ゲーゲンプレスを受けた鎌田が遠藤に素早く下げ、逆サイドに展開できたなら……。
さらには、ボールを奪取した際に、ゲーゲンプレスをひとりでかわせたら、それだけ大きなチャンスを引き寄せられる。体調不良で出遅れたため、急ピッチで仕上げている三笘薫が力を込める。
「奪ったあとの相手のプレスが速いので、そこを剥がせばビッグチャンスになりますけど、そこで失えば大ピンチにもなる。その駆け引きだと思うので、最初の判断のところを大事にしたい。守備から入って、割り切るところは割り切ってクリアすることも大事になる」
ちなみに、9月の試合ではハンガリーがカウンターからドイツを仕留め、1-0で勝利している。
森保監督が大事にしてきたベルギー戦のデータとは
森保一監督がこの4年間、大事にしてきたデータがある。
18年ロシアW杯のベルギーとのラウンド16で、日本は後半7分に乾貴士がゴールを奪い、リードを2点に広げた。
この時点まで、ポゼッション率はほぼ互角だったのだ。