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「分かります? 着てもないものに熱くなれない」鈴木優磨(26歳)が日本代表より愛する鹿島で果たしたい“義務”と“ハセさん超え”
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph byJ.LEAGUE
posted2022/11/04 17:02
今季はリーグトップの9アシスト(7ゴール、第33節終了時点)と献身性も光るJ1鹿島FW鈴木優磨。ベルギーでの経験がプレーの幅を広げた
「基本的に偶然はないと思っているんです。サッカーに関しては、常になぜそうなったのかを考えるようにするかな」
いつも、どうすればチームがより良くなるかを考える。そのために自分がどう動いて、どうすべきか。チームが勝つために何をすべきかを追求する日々だ。
「本当の理想を言うと、マラドーナみたいに1人が5人抜きで決めるのが一番。だって、もっとも手っ取り早くゴールに直結するから。だけど、やっぱり今のうちのチームにそういった特長の選手がいるかと言われれば違う。そうであれば、なるべく早く前で起点を作って、どんどん追い越して行って、イメージを共有して、最終的に早い段階で仕留めるっていうのが、今のうちに合ったスタイルなのかな、と。その形ができれば、いいサッカーができるんじゃないかなと思います」
突出した個がなければ、味方との連係によって崩していく。そんな絵を描いている。ただ、チームが目指す理想のサッカーを表現することと、勝つことは別物とも考えている。
「やっぱり勝つことを知っている選手とプレーするのがいかに楽だったかというのはすごく痛感している。それが、どれだけアドバンテージになるか。この差は大きい」
それはどういったところから感じるのだろうか。これまでは若手で先輩の背中を追いかける立場だったものが、今やチームの中心としてプレーすることで変化したことも影響する。
「ピッチ上でのプレーの選択にめちゃくちゃ出ると個人的には感じていて。時代も流れもいろいろと変わってきているけれど、それでも思っていた以上にチームにとって経験は大事なんだとすごく思うね。今年は特に」
勝ち切れない試合が続いた今シーズン
今シーズン、引き分けの数は12。勝ち切れずに終わる試合が続いた。試合のスコアや流れはもちろん、ピッチ上にいる味方や相手、それぞれの“今”を捉えて、どのプレーを選択するのか。サッカーとは流れるスポーツであり、その細部をどれだけ感じられるかどうかが、勝敗を分けるポイントになるという。
「たとえば、残り5分でどんなプレーを選択するか。そこは戦術とはまた違ったところですよね。ここは危険だとか、何か今を感じ取れるかどうかというのは、多分優勝を経験しているかどうかで大きく違う。優勝を経験するということは、いろいろな試合を勝ち抜いていることでもある。だからこそ、タイトルによって得られるものが大きいと個人的には感じています」