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《練習は200〜300投、トミー・ジョン手術が必要な選手も》あなたが知らない競技「水切り」…日本人世界王者30歳が明かす意外と過酷な話
posted2022/04/10 11:00
text by
齋藤裕(Number編集部)Yu Saito
photograph by
Yu Saito
河原の石を投げて、川の水面を跳ねさせる「水切り」。誰もが一度はやったことがあるであろう、この遊びを競技として極め、世界王者になった人が日本にいる。橋本桂佑、30歳。国内の複数大会で優勝を飾り、2017年世界水切り選手権(スコットランド)を制覇した水切りの達人は、なぜ水切りを極めようと思い、世界一にまでなったのか。練習拠点の栃木県小山市、思川沿いにある東屋で話を聞いた。(全2回の前編/後編へ)
――普段はどのように練習をしているんでしょうか?
「基本は週1回のペースで、思川がメインで、たまに荒川でやることもあります。遠征も昔はしてたんですが、今はシステムエンジニアの仕事が忙しく、行けていません。2時間くらいかけて100個近く、多いときは200個から300個くらい投げることもありますね」
小学校の時から競技と捉えていた
――水切りを始めたきっかけを教えてください。
「小学校に入る前くらいに、思川で川遊びのひとつとしてやったのが最初ですね。その時から、水切りを『競技』のように捉えていて、漠然と地方大会や全国大会があって、世界大会は人知を超えた存在が集まるんだろうと思っていました」
――そこからのめり込んでいった?
「当時は、たいしたレベルじゃなく単なる遊びのひとつでした。小学4年から高校までは野球をやっていて、栃木高校ではポジションはキャッチャー。部の中だと肩が強いほうではあったかもしれません。その後、東北大学理学部に進み、野球はサークルで続けていました」
――川辺で研究をしていて、水切りに再会するんですか?
「いや、八甲田山でブナ林の研究をしていました」