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『イッテQ』スタッフが持ち帰った石で世界一を獲得!“水切り”を極めた日本人世界王者30歳が明かす、遠く美しく石を投げるコツとは

posted2022/04/10 11:01

 
『イッテQ』スタッフが持ち帰った石で世界一を獲得!“水切り”を極めた日本人世界王者30歳が明かす、遠く美しく石を投げるコツとは<Number Web> photograph by Yu Saito

高校までの野球経験を生かした美しいフォームで水切りする橋本さん。フォームは元々のアンダーからサイド気味に変更した

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齋藤裕(Number編集部)

齋藤裕(Number編集部)Yu Saito

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Yu Saito

ひょんなきっかけから始めた「水切り」でトントン拍子に日本三大大会を制し、ついには海外の大会を目指した橋本桂佑。アメリカの大会で勝利は逃したものの手応えを掴み、次に目指したのはスコットランド。橋本が抱いていたのは「そんなの余裕じゃね?」という根拠に乏しい自信だった——。(全2回の後編/前編へ)

――そもそもですが、能力的にいけると思ってもわざわざスコットランドまで行きますか?

「『世界チャンピオン、なっておくかー」と思ったんですよね。旅行が好きなのもあります。ミシガンの大会は世界の水切りをする人と交流するため、いうなれば友達欲しさから参加しました。ただ、スコットランドの時は肩書欲しさでした。

 あと、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)でも宮川大輔さんが出場した大会だったんです。(前出の)森川さんが宮川さんを指導したのを知っていて。宮川さんは結局、石が跳ねなかったり、左右に引かれたレーンから外れたりして、記録としては『0m』。その関係で、スタッフが持ち帰ったイーズデール島の石を森川さんからわけてもらったりしていました」

世界中から250人超の選手が集結

――大会の雰囲気はどのようなものだったのでしょうか?

「ミシガンは祝日のお祭りの1イベントという感じでしたが、イーズデールは水切りのために世界中から人が来ているって感じでした。全体の出場者は250人を超える規模で、男子だけで176名。今まで参加したどの大会よりも多かった印象ですね」

 事実上の予選となる最初の計3投のうち、2投目で着岸(記録は63m)で、予選通過を決める。しかし、橋本は内心、焦っていたという。

「3投全部当てるつもりだったんですが、前日の練習から『意外と当たらない。本当に63mだよな?』と感じていました。向こうに行けば行くほど押し戻される、そんな感覚でした。イーズデールは昔、スレートという石の採掘地でした。その採掘したところに水が溜まって、湾みたいになっているんです。下が深くおそらく100m近い。なので、奥のほうの流れがつかめなかった……」

【次ページ】 モスト・バリュアブル・スロー

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