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箱根駅伝“新・山の神は出てくるか?” 3代目神野大地が明かす意外な本音「個人的には出てきてほしくない(笑)」
posted2021/12/17 17:04
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Nanae Suzuki
「大エースがいて、山がいて、日本人エースがいること」
3代目山の神として名を馳せ、現在はプロとして活動する神野大地(セルソース)は、箱根駅伝で勝つためには、この3つの要素を備えていることが必須だという。この要素を各大学に当てはめて考えていくと、どの大学が優勝に一番近いのだろうか。
出雲と全日本で青学はなぜ勝てなかったのか?
「僕は、青山学院だと思います」
神野は2年ぶりの総合優勝をもくろむ母校を挙げた理由をこう語る。
「昨季は、戦力が充実していたけど、優勝まではどうだろう?という感じでした。でも、今季は記録を見ても『優勝』と言えるだけの結果を出してきている。出雲も全日本も本当なら優勝できたと思いますが、勝てなかったのはミスが出たから。そのミスは、原(晋)監督の選手の見極めの部分だと思うんです。僕らの時はほぼ365日選手を見ていたので、誰が何区に合っているのか、調子がいい選手が誰なのか、それを理解した上で区間配置がハマっていたと思うんですが、今はそれが噛み合っていない。ただ、原監督は、出雲駅伝2位、全日本駅伝2位と来て、箱根こそは絶対に勝つ!という気持ちがあると思うので、区間配置さえ間違えなければ圧勝もあり得ます」
今年の青学大は1万mの持ちタイムが28分台の選手が23人いて、箱根駅伝の登録メンバー16人は全員が28分台だ。これは参加校ナンバー1の層の厚さである。ただ、箱根駅伝は持ちタイムがいいから勝てるというものではない。神野がいう区間配置がハマるかどうかが非常に大きい。
「青学の2区は近藤(幸太郎・3年)君だと思うんですけど、そのためには1区がめちゃくちゃ重要ですね。2区で駒澤の田澤(廉・3年)君や東京国際のイェゴン・ヴィンセント(3年)、創価のフィリップ・ムルワ(3年)に先行された場合、近藤君にまだ彼らに追いつくだけの力はないと思うんです。青学が往路優勝するためには1区で先頭から10秒以内でこないと2区の近藤が活きないんです」
青学が往路優勝するために「1区はだれが適任か?」
では、その重要な1区は誰に任せるべきだと考えているのだろうか。