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箱根駅伝“新・山の神は出てくるか?” 3代目神野大地が明かす意外な本音「個人的には出てきてほしくない(笑)」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2021/12/17 17:04
2015年の箱根駅伝で山登り5区の区間記録を更新し、青学大初の箱根駅伝総合優勝に大きく貢献した神野大地
「多くの選手は、最後の下り4kmに力を残しておいて、『そこでがんばろう、巻き返そう』と思っていると思うんですけど、そうすると結果が良くない。前回、青学の5区を任された竹石(尚人)もそうだったんですけど、最後の下りで盛り返せるタイムってたかが知れているんです。それよりも差が開くのは、小涌園から頂上までの3~4km。そこを頑張った方が差を広げられるし、詰められるんですよ。
大学時代に各ポイント間のラップを見たんですが、僕と柏原(竜二)さんに共通していたのは、小涌園から頂上までのラップがすごく早かったこと。上りが早ければ最後の4kmも絶対に粘れる。だから小涌園から頂上がゴールだと思って出し切ることが大事だと思います」
5区を制するには「最後は気持ちの部分が大事」と神野はいう。ラストの下りは、上りで足を使ったとしてもある程度、惰性で下っていける。その時、夏合宿で苦しい練習をしてきたことを思い出せば、絶対に復活する、と。
ちなみに山の神は、3代目の神野大地以降誕生していない。今大会で、その可能性はあるのだろうか。
「4代目、気になりますね。今のところ3代目で止まっているおかげで僕はいろいろお仕事をいただいているので……個人的には出てきてほしくないです(笑)。可能性があるのは、殿地(琢朗・国学大4年)君かなぁ。先日の『激坂最速王決定戦』では学生トップのタイムで、たぶん69分台は出せると思うんです。区間賞争いも間違いなくできるしょう」
「青学や駒澤が最初から先行していくとは考えにくい」
今季は大学間の差が以前ほどなくなりつつあると言われている。出雲駅伝では東京国際大が3区から独走して優勝したとはいえ、全日本大学駅伝では区間ごとに首位が入れ替わるサバイバルな駅伝になった。箱根駅伝は区間距離が20km以上の全10区間。神野は今回の箱根駅伝のレース展開をどう見ているのだろうか。