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福岡堅樹、松島幸太朗、姫野和樹らに共通する“W杯2年前の代表デビュー” オーストラリア戦で初キャップの期待が懸かる選手は? 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byKoki Nagahama/Getty Images

posted2021/10/20 17:15

福岡堅樹、松島幸太朗、姫野和樹らに共通する“W杯2年前の代表デビュー” オーストラリア戦で初キャップの期待が懸かる選手は?<Number Web> photograph by Koki Nagahama/Getty Images

日本代表初キャップとなるデビュー戦(2017年11月4日、対オーストラリア)で初トライを挙げた姫野和樹。2年後のW杯ではチームの主力に成長した

 列島に興奮を巻き起こした2019年W杯の2年前は17年。15年W杯で飛躍した日本代表は、自国開催のW杯を控え、世界ラグビーの上位国との対戦が劇的に増えていた。サンウルブズが結成され、日本選手の経験値も向上していた。

 ジェイミー・ジョセフHCの着任が秋まで遅れ、前年は試運転の気配もあった日本代表だったが、代表活動を休んでいたリーチマイケルが復帰し、夏にはアイルランドを迎えて2連戦、秋にはオーストラリアを迎え、これら上位国にはすべて敗れたものの、どんな展開になっても必ず得点をあげる地力と復元力に、伸びしろを感じさせた。オーストラリア戦のあとは欧州に飛び、フランス代表とドローを演じた。

 流大、姫野和樹、ヴィンピー・ファンデルヴァルト、ヴァルアサエリ愛、具智元が日本代表にデビュー。やはり、2019年に活躍する役者たちが次々にステージに登った時期だった(姫野はデビュー戦となったオーストラリア戦で相手選手をぶちかましで吹き飛ばし、豪快なトライもあげた。振り返るとあれは2年後の前触れだった)。

 歴史を振り返ると「ワールドカップの中間年」の意味の重みが見えてくる。エディー時代とジェイミー時代、日本代表の置かれた立場も世界ランクも対戦相手も違っていたが、ワールドカップ中間年の意味は共通していたように見える。つまり、2年後の主役となるべき新戦力が舞台に上がる年だということだ。

気になる“新戦力”で期待する選手は?

 今年は2023年ワールドカップ・フランス大会の2年前だ。コロナ禍による1年間の空白というイレギュラーな事態はあったが、W杯の2年前という現実は動かせない。2年後にはW杯が始まっている。

 その視点でラグビー日本代表を見てみよう。2021年6~7月のシリーズで新たにキャップを得た選手はSH齋藤直人、WTBシオサイア・フィフィタ、FLジャック・コーネルセン、WTBセミシ・マシレワ、CTBシェーン・ゲイツの5人。アイルランド戦では新人の齋藤とフィフィタが揃ってトライをあげた。

 そしてこの秋はオーストラリアを迎えたあと、欧州へ飛んでアイルランド、ポルトガル、スコットランドと対戦する。秋のシリーズを戦う日本代表に選出されたノンキャッププレイヤーは10人を数えた。PR浅岡俊亮、LOリアキ・モリ、秋山大地、FLベン・ガンター、長谷川崚太、福井翔大、WTB高橋汰地、ジョネ・ナイカブラ、中野将伍、CTBディラン・ライリー(長谷川は代表選出後に負傷で離脱した)。

 このほかに、代表メンバーには選出されなかったが、若手育成枠のナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)として19歳のワーナー・ディアンズが合宿に参加していた。ワーナーはオーストラリア戦と欧州遠征に向けた代表メンバーには時期尚早として選ばれなかったが、かわって最年少メンバーとなったのが22歳になったばかりの福井翔大(しょうた)だ。

【次ページ】 ウイング起用も経験したマルチな才能

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福岡堅樹
松島幸太朗
姫野和樹
齋藤直人
シオサイア・フィフィタ
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浅岡俊亮
リアキ・モリ
秋山大地
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長谷川崚太
福井翔大
高橋汰地
ジョネ・ナイカブラ
中野将伍
ディラン・ライリー
テビタ・タタフ

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