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福岡堅樹、松島幸太朗、姫野和樹らに共通する“W杯2年前の代表デビュー” オーストラリア戦で初キャップの期待が懸かる選手は?
posted2021/10/20 17:15
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Koki Nagahama/Getty Images
SNSをやっている人には、自分のタイムラインに毎日のように「2年前のきょう」の思い出が表示されている人がいることだろう。
2019年の秋、日本で初めてのラグビーワールドカップ(W杯)が開催された。全国12のスタジアムはすべての試合がほぼ満員の観衆で埋まった。日本代表はアイルランド、スコットランドという強敵を撃破して初の8強に進出した。ワンチーム、ダブルフェラーリ……いくつもの流行語が生まれた。世界各国から集結したサポーターたちは時間を忘れたように延々とビールを飲み続け、日本中で国際交流が生まれた。今では想像しにくいほど密な空間と、何の遠慮もなく様々な人と握手し、ハグし、グラスを重ねた。
鮮やかな記憶に彩られたラグビーW杯日本大会から2年。気がつけば、次のW杯まで2年を切っている。
フランスで開催される次回大会の開幕戦は2023年9月8日、フランス対ニュージーランド(NZ)だ。前回大会で8強入りした日本はすでに予選免除で出場を決めており、9月10日、アメリカ地区2(米国とチリの勝者)と対戦することが決まっている。
今年、2021年は、ラグビー的にはW杯の中間年にあたる。折り返し地点だ。では、「ワールドカップの中間年」とは、どんな意味を持っているだろう? ちょっと振り返ってみる。
エディー体制では福岡堅樹らが初キャップ
エディー・ジョーンズHCのもと、初戦で南アフリカを破るなど日本代表が大躍進を見せた2015年W杯イングランド大会。その2年前は13年だ。
この年、日本代表は6月に秩父宮でウェールズ代表を破り、“ビッグエイト”と呼ばれる世界ラグビーの伝統国との公式戦で初めての勝利をあげた。秋はオールブラックスを秩父宮に迎え、欧州遠征でスコットランド代表に挑んだ。ともに完敗だったが、世界における日本の立ち位置が明確に見えたシーズンだった。
この年、福岡堅樹と山田章仁が日本代表にデビューし、南アフリカでの武者修行を終えた松島幸太朗が欧州遠征に現地で合流。ノンキャップ試合ながらグロスター戦で初めて日本代表でプレーした。
15年W杯に向けて、必要なピースがカチカチと揃っていった時期だった。