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「日本は適切な戦い方をしたが…」豪州戦を見たトルシエが指摘する欠点<中田英寿にあって、森保一監督にはない>ものとは 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/10/16 17:03

「日本は適切な戦い方をしたが…」豪州戦を見たトルシエが指摘する欠点<中田英寿にあって、森保一監督にはない>ものとは<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

サウジ戦への厳しい評価とは一転、日本代表の戦いぶりを認めたトルシエ。もちろん、予選突破への課題提示も忘れなかった

――自信を回復したのは間違いないですが、まだ勝ち点で追いついたわけではありません。また11月の2試合も、初戦までの準備時間は2日しかなく状況は変わりません。

「たしかに準備は簡単ではないが、それでも今日はさまざまなものを蓄えることができた。その第一が自信であるのは明らかだが、戦術面でも選手たちは素晴らしい仕事を成し遂げ守備も悪くなかった。酒井や吉田、長友、冨安、遠藤、権田らはチームの骨格を成していた。お互いをよく知り、誰かが欠けたら次は少し困るかも知れない。彼らが一緒にプレーする限り、準備に1週間は必要ない。2日のトレーニングでコンビネーションを構築できるだろう。彼らはプロフェッショナルだ。その点で私は心配していない。

 重要なのはチームが勝つことだ。それも素晴らしい相手に。オーストラリア戦の勝利は、それだけで素晴らしい成果だった。オーストラリアとの試合は常に厳しい。その試合に適切な戦い方で日本は勝った。

日本は自信を回復した

 日本は困難を乗り越えた。アグレッシブな戦い方でコレクティブな統一感も見せた。攻撃的なプレーでチャンスも多く作り出した。選手では伊東と浅野が相手ディフェンスを後退させ、個の力でプラスアルファを作り出した。ディフェンスは強固で森保のコーチングも良かった。そうしたすべてが一体となって日本は自信を回復し、さらに道を進む力を見出した。たしかに道はまだ長いしそれぞれの試合は簡単ではないが、数字の上では突破のための戦いに復帰することができた。もちろん今後はホームにサウジを迎え、アウェーでのオーストラリア戦が控えている。オーストラリア戦は最終戦ではなかったか?」

――いえ、そのひとつ前です。最終戦は日本がホームでベトナム、オーストラリアはアウェーでサウジアラビアです。

「オーストラリアにとっては難しい2試合だ。つまりまだすべてが可能ということだ。日本での反響はどうなのか?」

――この試合についてはまだわかりませんが、満足していると思います。

「試合前はどうだったのか。森保の解任を求めていたのではないか?」

――試合前はそうでした。多くのメディアが彼に批判的で、後継者を誰にするかでいろいろな名前を挙げていました。ほとんどが日本人で外国人の名前も少しありましたが、それも一段落するでしょう。

 今日の最後の質問です。先制点は田中碧が決めたものですが、彼は東京五輪の新星のひとりでした。

「素晴らしいゴールだった。彼はどこでプレーしているのか?」

【次ページ】 チームにいまだ欠けているもの

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