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「同級生の“先生のモノマネ”って面白かったですよね?」 フロンターレ名物・集客企画の担当者が「身内ネタ」感を大切にするワケ
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/09/26 06:00
川崎フロンターレの等々力開催と言えば、面白さ満点の企画。集客プロモ担当の人にその発想力の源を聞いてみた
《フロンターレの「血」をひく若き戦士!!「アカ(赤)デミーコーナー」》と題して、U-18のメンバーに注目してもらうという企画である。
東京五輪で川崎の下部組織出身者が話題になったのは、記憶に新しいだろう。具体的に言えば、今季前半戦までトップチームに所属していた三笘薫と田中碧、トップに所属経験のある三好康児と板倉滉、そしてバルセロナの下部組織入りするまでU-10でプレーしていた久保建英の5人だ。
「移籍した碧と薫もそうですが、アカデミーから上がってきた選手がクラブにとってより重要な存在になっています。そこだけではなく、東京五輪を経て『フロンターレの育成はスゴい!』となっている。クラブとしても、アカデミーに注目してもらおうという狙いです」
五十嵐、早坂のトップ昇格に宮城も鹿島戦で決勝点
来季は五十嵐太陽、早坂勇希(現・桐蔭横浜大)のトップチーム昇格も発表済みで、サポーターも未来を楽しみにしている存在だ。全くの偶然だが、この取材日の夜に行われた鹿島アントラーズ戦で強烈なミドルシュートで劇的な決勝ゴールを決めたのは、アカデミー育ちの宮城天だった。
思えば、クラブ愛の強い生え抜き選手たちの中には、「自分にはこのクラブで育った血が流れている」と発言する選手も少なくない。そこで献血イベントと「アカ(赤)デミー」のダジャレを絡めて、クラブの血を受け継ぐ下部組織をフォーカスしてしまう力技はさすがである。
「そこは毎日考えていますから。おかげでダジャレのストックは貯まっています」と佐藤は笑った。
強いから応援する、弱くなったら応援しない、ではなく
ソーシャルディスタンスが求められる中、クラブとしての試行錯誤は今も続いている。地域性と距離感を大事にしながら、フロンターレが自分事になる身内をどれだけ増やしていけるか。増えていった身内の熱が、スタジアムだけではなく、川崎市全体にも広げていくことができたら理想だ。
「強いから応援する、弱くなったら応援しない、ではなくて、フロンターレが好きだから応援する。今のサポーターにもっと好きになってもらって、順位関係なく応援してもらって、どんどん身内になってもらいたいですね。週末はチームが等々力に戻ってきてリーグを戦えます。我々もピッチの外からフロンターレらしい空気を作っていければと思ってます」
リーグ戦は残り9試合。そのうち、ホームゲームは6試合だ。
本拠地に帰還した川崎フロンターレは、連覇に向けたラストスパートに入っていく。
<後編は29日配信予定です>
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