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パ新人王は宮城大弥vs伊藤大海 セは佐藤輝明以上に調子安定の栗林良吏・牧秀悟・中野拓夢、大穴は2年目の…《超ハイレベル争いを展望》
posted2021/09/24 11:07
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JMPA(L,R)/Hideki Sugiyama
NPBもシーズン終盤。新人王争いについて見ていきたい。今季は、セ・パ両リーグともに激しい争いになっている。
新人王資格は、海外のプロ野球リーグに参加した経験がない選手で、支配下登録されてから5年以内、投手は前年までの一軍での登板イニング数が30イニング以内。打者は前年までの一軍での打席数が60打席以内になっている。
まずはパ・リーグの新人王レースを見ていこう。数字は9月23日時点。まずは打者から。打撃の総合指標であるRC(Run Create)の上位順に並べている。
<パ打者>
紅林弘太郎(オ)360打79安7本36点1盗 率.219 RC26.01
岸潤一郎(西)221打53安8本19点0盗 率.240 RC22.26
若林楽人(西)144打40安2本10点20盗 率.278 RC19.81
山口航輝(ロ)147打28安6本16点0盗 率.190 RC13.58
万波中正(日)92打18安3本8点0盗 率.196 RC6.48
五十幡亮汰(日)63打18安1本4点8盗 率.2856 RC9.22
来田涼斗(オ)66打14安2本7点1盗 率.212 RC4.25
リチャード(ソ)48打9安4本11点0盗 率.188 RC6.24
黒川史陽(楽)75打14安1本8点0盗 率.187 RC3.49
高部瑛斗(ロ)55打8安1本6点4盗 率.145 RC3.41
規定打席に到達しているのは紅林だけ
規定打席に到達しているのはオリックスの紅林だけである。
その紅林は一昨年のドラフト2位で入団した大型内野手。オリックスの中嶋聡監督は高卒2年目の紅林を正遊撃手に抜擢。粗っぽいところがあったものの、最近は3番に座って長打を放つようになっている。
西武の岸は、明徳義塾から拓殖大を中退し、独立リーグ徳島を経て一昨年8位で西武に。6月以降スタメン起用が増え、勝負強い打撃で頭角を現している。
同じく西武の若林は、駒澤大学から昨年4位で入団。開幕から一軍で起用され、5月末までに20盗塁を記録し、新人での盗塁王当確かと思われたが、5月30日の阪神戦で左ひざ十字じん帯損傷の重傷を負った。復帰は来年になる。
駿足という点では、昨年ドラフト2位で日本ハムに入った五十幡亮汰も同様だ。5月に一軍に上げられると19試合で8盗塁を記録したが、6月8日の阪神戦で左太もも肉離れで戦線離脱した。
成績を見て野手陣では、新人王候補は辛うじて紅林だけだと言えるが、投手陣は複数の有力候補がいる。