酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
パ新人王は宮城大弥vs伊藤大海 セは佐藤輝明以上に調子安定の栗林良吏・牧秀悟・中野拓夢、大穴は2年目の…《超ハイレベル争いを展望》
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJMPA(L,R)/Hideki Sugiyama
posted2021/09/24 11:07
五輪でも所属球団でも輝いた伊藤大海と栗林良吏。二軍落ちしたとはいえ抜群のインパクトを放った佐藤輝明。新人王に輝くのは誰だ?
佐藤輝明のインパクトは強烈だが、安定感で言うと
インパクトの強さでいえば、圧倒的に阪神の昨年ドラ1佐藤輝明だ。オールスターにもファン投票1位で選出され、ホームランも打つなど派手な登場だった。しかし後半戦は極度の不振に陥り、9月10日に登録を抹消された。9月23日に再昇格したが、ここから巻き返すことができるか。
DeNAの牧も中央大からドラフト2位でDeNAに入団したルーキー。春には打率1位に立つなど目立つ働きだったが、以後も7月こそ打率1割台に落ち込んだ。安定感のある打撃でRCは佐藤輝明を抜き、評価が高まっている。
さらに佐藤輝明の同僚の中野拓夢は、三菱自動車岡崎から6位で阪神に入団したルーキー。4月10日にスタメン起用されると、以後は正遊撃手となり、打撃でもリードオフマンとして活躍。盗塁は23でリーグ1位。チームの先輩である近本光司が1差で迫っているが、盗塁死は近本が7に対し、中野はわずか2。犠打もリーグ2位の13。小技の利く上位打者として貢献度は高い。
この3人は規定打席に到達。本来なら6月以降に三塁手として起用され、打率3割近くをマークしている広島の林晃汰も候補に入れるべきだろうが、打者としては牧、佐藤、中野に絞られるだろう。
佐藤の23本塁打は新人としては驚異的だ。ただし「時価」で判断すると現在も安定感ある成績を残し続けている牧と中野の方が評価が高くなるか。とはいえシーズン終盤に佐藤が短い期間でも長打を連発すれば、また心証は変わってくる。
栗林の24S、防御率0.45は驚異的な数字
投手陣にも有力候補がいる。
防御率に基づく投手の総合指標PR(Pitching Run)を上位から並べてみた。
<セ投手>
栗林良吏(広)40登0勝1敗 24S 0H 39.2回 率0.45 PR14.23
伊藤将司(神)18登7勝7敗 0S 0H 112.2回 率2.80 PR11.19
金久保優斗(ヤ)8登3勝1敗 0S 0H 35.2回 率2.78 PR3.62
奥川恭伸(ヤ)14登7勝3敗 0S 0H 85.2回 率3.36 PR3.12
池谷蒼大(De)6登0勝0敗 0S 0H 6.2回 率0.00 PR2.73
小川一平(神)12登1勝0敗 0S 2H 14.1回 率3.14 PR0.88
大西広樹(ヤ)25登3勝0敗 0S 5H 28.1回 率3.18 PR1.62
戸田懐生(巨)3登0勝0敗 0S 0H 3回 率0.00 PR1.23
森博人(中)3登0勝0敗 0S 0H 3回 率0.00 PR1.23
浜地真澄(神)3登0勝0敗 0S 0H 5回 率1.80 PR1.05