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最初は野茂英雄、大魔神や新庄も…「ワイルドカード」でプレーオフ進出、最もインパクトを残した日本人選手は誰?
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2021/09/20 17:01
左から、秋山翔吾、ダルビッシュ有、澤村拓一、菊池雄星
ロッキーズを導いた松井稼頭央
2007年は共にNL西地区優勝を逃したものの、ロッキーズとパドレスが同地区2位タイとなる89勝73敗=3地区の最高勝率で公式戦の全162試合を終えている。そこで行われたのが「1ゲーム・プレーオフ」の公式戦163試合目で、ロッキーズが逆転サヨナラ勝ちで「ワイルドカード」を獲得しているが、1戦必勝の大事な試合で活躍したのが、現在は西武の二軍監督を務める松井稼頭央内野手だった。
試合は6対6のまま延長13回に突入。表のパドレスが2番スコット・ヘアストンの2点本塁打で8対6と勝ち越したが、その裏、先頭打者の松井が後に殿堂入りするパドレスの絶対的守護神・トレバー・ホフマンから右中間への二塁打を放って反撃の狼煙を上げると、後続の二塁打と三塁打で同点に追いつき、最後は犠飛で劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めている。
ロッキーズはその「勢い」を地区シリーズに持ち込んで、NL東地区王者フィリーズに3連勝してNLCSに進出。同シリーズでも公式戦で後塵を拝した西地区王者のダイヤモンドバックスに4連勝してワールドシリーズに進出した(著者注:残念ながら、ワールドシリーズでは松坂大輔、岡島秀樹両投手を擁するレッドソックスに4連敗した)。
「ワイルドカード・ゲーム」には多くの日本人選手が
地区優勝したチームのアドバンテージは、(勝率の上から順に)ホームゲームの優先開催権が与えられることだが、DSなら最多5試合中3試合、CSなら最多7試合中4試合のホーム開催権にはそれほど優位性はなく、「むしろ、アウェーでプレッシャーがない方がプレーし易い」などと言う選手もいるぐらいだった。そういった「逆アドバンテージ」を減らすため、2012年からは「ワイルドカード」を2枚に増やしてお互いを対戦=消耗させる1戦必勝方式の「ワイルドカード・ゲーム」が導入された。